悪魔も喘ぐ夜
*
こうしてみると中学校の学ランを着て飛
び跳ねていた数日前が信じられない。
普段は友達付き合いがちゃんとできてい
ても、学ランを着る年頃になっても、中身
はまだ小学生気分なのかもしれない。
宥めようと麗のほうへ向き直ろうと体を
僅かに動かしたら直後に下半身に痛みが走
って顔が歪む。
麗や母さんはいつも通りでも、一晩中苛
まれた跡は誤魔化しようがないほどクッキ
リと体に残されていた。
昨日のことは何か悪い夢だったんじゃな
いかと思う暇さえなく残酷に逃れようもな
く現実がつきつけられる。
「お兄ちゃん?!」
目敏く俺の変化に気づいた麗が自分の方
が痛そうに顔を歪めた。
「学校行ってこいよ、麗。
みんな心配するし、そうなったら俺も悲
しいし。な?」
「〜〜〜っ」
大きな目に不安いっぱい溜めて何か言い
たげな顔をするが言葉にはならない。
ここでぐずらなくなったなんて小学生の
頃から比べたら成長した…なんて思ってし
まうのは兄バカだろうか。
[*前][次#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!