悪魔も喘ぐ夜
*
「お兄ちゃん、早く早くっ」
先に浴室へと入っていった麗がシャワー
の音をたてながら急かす。
麗を宥めつつ服を脱いで自分も浴室に足
を踏み入れた。
「こら、麗。
髪はもっとちゃんと洗え。
せっかく綺麗な髪なんだから」
烏の行水よろしくすでにシャワーに手を
かけている麗の手を止め頭皮マッサージも
兼ねてその泡まみれの髪に背後から指を入
れ揉むように洗ってやる。
「わーい。
でもくすぐったいー」
洗われている麗は大人しく椅子に座った
ままクスクス笑った。
「もうちょっとだから」
「はーい」
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