悪魔も喘ぐ夜
*
「麗、目つぶって。
エッチなこと想像してごらん」
「エッチな…こと?」
「そう。
女の人の裸とか」
…あれ?
例を挙げた途端に手の中のものが萎え
た。
「やだ。お兄ちゃんがいい」
不満げに呟いた麗は俺の首筋に頬擦り
して甘噛みしてくる。
…待て。それはまずい。
初めての性体験は重要だ。
そのオカズにされたらそれが快楽と結び
ついて、癖になってしまう。
しかし今手の中で萎えたばかりのものが
俺の首筋を食み舐めることで熱量を取り戻
していく。
…正直すぎる…。
女性の裸体を想像して萎えて、どうして
俺に触れて勃起するのか…。
しかし、無理強いして萎えさせていたら
いつまでも終わらない。
だったら妥協するしかない。
「今だけ、だからな?」
「んー…」
麗は俺の首筋にしゃぶりつくのに夢中で
返事をしない。
余裕がないのか、故意なのか。
それは麗にしかわからない。
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