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悪魔も喘ぐ夜
*


「…でも俺は誰も選ばないかもしれない

 し、麗以外の誰かを選ぶかもしれない。

 それでも、いいのか…?」


 ただぬか喜びさせてはいけないと付け足

すと麗は苦笑いに変わった。


「“それでもいいよ”ってあっさり言えた

 らカッコイイんだろうね。

 でもね、僕はきっとまだスタート地点に

 も立ってなくてそこにまず立たないとい

 けないから…。

 毎晩こうしてお兄ちゃんに好きだよって

 言い続ける。

 お兄ちゃんが忘れてしまっても、何十回

 でも何百回でも好きだって言って抱きし

 めるよ。

 ぼくはぼくにできることをする。

 ただ、それだけ」


 ズンッ


「あっ…!」


 猛りの圧迫に慣れた体が突かれて声が出

た。

 確かな熱をもった猛りは息をひそめてい

たのが嘘のように俺の弱いポイントを狙っ

て集中的に何度も突き上げてくる。

 
「あっ、あっ、んぁっ」


 麗のものとは思えない圧迫感で奥まで突

き上げてくる。

 いつも見ている夢のようでいてそうでは

ない…奥を突かれながら不思議な感覚に陥

っていると麗が俺の脚を持ち上げた。

 開脚している俺の両足を肩のほうへ持ち

上げ、俺の体を曲げるようにして上から猛

りを突き刺してくる。


「うっ、あっ…深、いっ…!」


 息苦しい態勢に懸命に息を吐き出してい

ると先程よりも深くまで体内を押し広げら

れて喉が反る。


「お兄ちゃんに気持ち良くなってほしくて

 色々調べたんだ。どう?」


 そんなこと聞かれても答えられない。

 一番奥まで刺さったものが答えをせっつ

くように中を掻き回したから、麗の手を握

り締めて首を横に振った。


「いい、んだよね?

 こんなに零してるし」


 麗は確認のように俺の腹部に触れた。

 いつの間にか零れていた先走りがその指

先に拭いとられて、思わず麗の根元を締め

つけてしまった。





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