悪魔も喘ぐ夜
*
「おにーちゃんっ」
「わっ…」
俺がベッドに入るまでの間ゴロゴロと俺
のベッドの上で転がっていた麗は、俺がい
ざベッドに入ろうとしたら起き上がって抱
き着いてきた。
「…どうしたんだ?
なんだかすごく機嫌がいいけど…」
「お兄ちゃんのベッドってお兄ちゃんの匂
いがするから、寝てるとお兄ちゃんにぎゅ
ってしてもらってるみたいなんだもん」
喜んでいいのか迷う理由に、とりあえず
苦笑いで頭を撫でておいた。
麗に一度離れるように言って布団の中に
潜り込む。
気を張ってた分だけどっと疲れがきて、
すかさず伸びてきた腕を牽制するのも忘れ
ていた。
「麗、何もしない約束だろ?」
「何もしてないもーん。
ぎゅってしてるだけ」
嬉しそうに頬擦りしてくる姿は小動物の
ようで、まぁ大丈夫かと警戒を緩める。
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