悪魔も喘ぐ夜 * 「おにーちゃんっ」 「わっ…」 俺がベッドに入るまでの間ゴロゴロと俺 のベッドの上で転がっていた麗は、俺がい ざベッドに入ろうとしたら起き上がって抱 き着いてきた。 「…どうしたんだ? なんだかすごく機嫌がいいけど…」 「お兄ちゃんのベッドってお兄ちゃんの匂 いがするから、寝てるとお兄ちゃんにぎゅ ってしてもらってるみたいなんだもん」 喜んでいいのか迷う理由に、とりあえず 苦笑いで頭を撫でておいた。 麗に一度離れるように言って布団の中に 潜り込む。 気を張ってた分だけどっと疲れがきて、 すかさず伸びてきた腕を牽制するのも忘れ ていた。 「麗、何もしない約束だろ?」 「何もしてないもーん。 ぎゅってしてるだけ」 嬉しそうに頬擦りしてくる姿は小動物の ようで、まぁ大丈夫かと警戒を緩める。 [次#] |