悪魔も喘ぐ夜
*
母さんが言っていた。
“淫魔とフェロメニアは互いに狂わせ合
う関係にある”って。
夢の中でも老婆に言われた。
“このままだとお前は死ぬよ”と。
確かに純血の淫魔の能力はすごい。
その体に流れるものがどれほどに狂わせ
るものか、この体で身を以て知った。
だったら、傍に居るのは危険だ。
俺は半魔だからこの程度で解放されたん
だろう。
フェロメニアとしての能力も半分しかな
かったから。
フェロメニアの能力が淫魔を狂わせると
いうなら、情事の間にどれほど甘い言葉を
囁かれようと信じてはいけない。
実際…抜いてと言ったのにクロードは抜
かなかった。
クロードはどうなるか知っていて、俺を
解放しなかった。
もしあのまま気を失わずにいたらどうな
っていたか…。
そう思ったら、クロードのいないチャン
スを利用しない手はなかった。
正直、寝起きの頭でそこまで考えられた
自分に拍手を送りたい。
［*前］［次#］
[小説ﾅﾋﾞ|小説大賞]
無料HPエムペ！
携帯モード]
[
URL送信]
