悪魔も喘ぐ夜
*
「仕方ないですよ。
駆が甘い匂いをさせてしまうから、家で
はあまりできなくなってしまいましたか
らね」
“あまりできなくなった”だけで、
“できなくなった”わけではない。
そもそも隠すつもりがないのか、両親の
目を盗んで事あるごとに悪戯されるのは日
常茶飯事だ。
そうして俺の体がたまらなくなったとこ
ろで部屋に連れ込まれて…結局最後までさ
れてしまう。
父さんは匂いで分かることはないし、咎
める母さんは純血のおかげで兄貴たちより
ずっと匂いに敏感で傍に居られなくなって
しまう…らしい。
思春期の男の子という免罪符なのか“あ
る程度は仕方ない”と思われている節があ
って、やりすぎなければ何も言われないと
いう…あまりに筒抜け過ぎて両親の理解に
恥ずかしいような申し訳ない状況が家の中
にあった。
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