悪魔も喘ぐ夜
*
見られた!
麗に見られた…!
麗が俺としたいならすればいいと投げ出
した割にはショックで、布団を頭からかぶ
って芋虫になる。
「お兄ちゃん?」
しばらく沈黙が続いた後でベッドに歩み
寄ってくる気配がして、布団越しに麗の手
が体に触れた。
驚いてビクッと震えると、そっと布団が
捲られた。
「お兄ちゃん?
こっち向いて?」
「……麗、やっぱやめよう。
体も昨日無理しすぎたし…」
麗と視線を合わせないまま、ゴニョゴニ
ョと布団の中で言葉を返す。
「じゃあ…今日じゃなかったらいいの?」
「っ…」
「…ね?
見せて。ぼくが拭いてあげる」
即答できなかった罰だろうか。
触れるだけのキスが首筋に触れる。
しかし優しかったのはキスだけで、布団
を剥がれて剥き出しになったままの下半身
が麗の目の前に晒された。
勘弁、してくれっ…
心が悲鳴を上げる。
兄としての尊厳とか年上としての威厳と
か…そういうものが粉々に打ち砕かれる。
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