悪魔も喘ぐ夜 * 「んっ、はぁっ、んんッ…」 酸素を求めたのに入り込んできたのは兄 貴の舌だった。 こんなのおかしい。 家族でだってこんなキスしない。 兄貴の舌が嫌で押し戻そうとするけど、 唾液で滑って上手くいかない。 ぬめる舌は俺の舌をかわすようにして内 側の粘膜を擦り、俺の舌を絡め取って吸い 上げた。 「んんッ…!」 おかしいのに、こんなことしてるのは間 違っているのに、舌を吸われると腰に熱が 落ちてビクビクと揺れた。 間をおかずに兄貴の唾液が口内に流れ込 んでくる。 なんで…と悠長に考えている暇はなかっ た。 酸素が足りない。酸素が欲しい。 ゴクリ…。 注がれた唾液を迷うことなく嚥下する。 頭がボーッとする。 酸欠のせいだろうか。 [*前][次#] |