悪魔も喘ぐ夜
*
「わかった。
兄貴の言うことちゃんと聞くから」
俺の知らない顔をする兄貴に一抹の不安
は抱えつつも、とりあえずは目の前の問題
を解決することが優先で、それには兄貴を
怒らせないことが絶対条件だった。
「賢い子は好きですよ」
兄貴が本当にたまにしか見せない笑顔を
浮かべて、頭を撫でる代わりに額にキスを
くれる。
イギリス生まれの母さんにはそれが自然
なことで、その母さんに育てられた俺たち
兄弟にもごく自然なスキンシップ。
よかった。これで穏便に解決する。
ほっとした矢先に左手で顎を引かれた。
ヘッドフォンが滑り落ち、え?と驚いて
いる間に唇が塞がれる。
柔らかいと感じる間もそこそこに、繰り
返し啄まれた。
「んっ、んんっ…!」
顔をそらそうとしたけれど顎をしっかり
と掴まれていてそれもできない。
息が上手くできない。
それとほぼ同時で下肢のモノを扱く手の
動きが再開された。
キスに下肢への刺激が重なって軽く酸欠
状態になりながら空気を求めて唇を薄く開
いた。
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