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「あと、リズ、伝達苦手だし、まだ言葉は出来ないの……」
「大丈夫。リズの師匠はすぐ分かるから、来てくれるよ」
「じゃあ頑張ってみる……」
私は話しながらも、後ろに注意を向ける。
私が伝達する方が確実だけど、このシルシを、今、消すわけにはいかない。
男は、水桶を置いて私達の方をじっと見てる。
武器は持ってなさそうだけど……あの人はさっきの村の人なの?
だとしたら他にも人がいるかも――。
でもなんで水桶が?
中身が水じゃなかったら……ここで殺す気?
――!!
男が近付いてくる!!
「リズ、草の上に寝転んで隠れてて!!」
マントの中にいるリズの頭を押した。
早く師匠来て――!!
呪われた民に対する他の民の扱いは――。
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