10 「あと、リズ、伝達苦手だし、まだ言葉は出来ないの……」 「大丈夫。リズの師匠はすぐ分かるから、来てくれるよ」 「じゃあ頑張ってみる……」 私は話しながらも、後ろに注意を向ける。 私が伝達する方が確実だけど、このシルシを、今、消すわけにはいかない。 男は、水桶を置いて私達の方をじっと見てる。 武器は持ってなさそうだけど……あの人はさっきの村の人なの? だとしたら他にも人がいるかも――。 でもなんで水桶が? 中身が水じゃなかったら……ここで殺す気? ――!! 男が近付いてくる!! 「リズ、草の上に寝転んで隠れてて!!」 マントの中にいるリズの頭を押した。 早く師匠来て――!! 呪われた民に対する他の民の扱いは――。 [*前へ][次へ#] |