青春の定義
同居人はヤマトナデシコ
寮につくと、予想外の人がそこにはいた
「せっんっぱーい!おかえりなさい!」
「雅くん!?」
「はい!そうですよ?僕、新しくここの寮でお世話になることになって。先輩と同じ部屋だなんてうれしいです!!」
可愛い……、じゃなくて!
「驚いた……。去年は今年大一の先輩が使ってたから、ひと部屋抜けてたんだけど、まさか雅くんが来るなんて」
予想外です
「先輩?ヒカル先輩の他にいたんですか?」
「うん。藤宮先輩っていうんだけど……」
そういえば、あの人も女顔で男子に人気だったな……
「藤宮先輩?あれ、どこかで聞いたことある気が……。ま、いっか」
ケロッとした顔をして、雅くんはそれより!と声をあげた
「先輩、僕の部屋に来ませんか?内装とか、結構気を使ったんですよ」
ふふ、と笑う雅くんは本当に可愛い
けれど、おれは遠慮することにした
「これから予習やらなくちゃいけないからさ。また今度」
「えー……」
むぅ、としかめっ面をする雅くん
……これは男にも人気がでるわ
「寝室は隣だし、いつでも遊びに行けるから」
「それもそうですね。って、あ!ヒカル先輩」
ガチャリと音が聞こえて振り返れば、そこにはヒカルさんがいた
「ただいま。ああ、新しい入居者は雅君だったんだ。これまた大変だね」
「えぇ、迷惑ですか!?」
あからさまにガーンッとした顔をする雅君に、いや、そうじゃなくて!とヒカルさんのフォローが入る
「〈桃姫〉の後に〈雅の君〉が来るなんて、またやっかみを買うなぁって」
ハハ、とヒカルさんは苦笑した
そういえば、藤宮先輩は名前は桃矢だから、〈桃姫〉って呼ばれてるんだっけ
「あー!そうですよ、思い出しました。藤宮 桃矢。僕とか、他の女顔の人たちとよく引き合いに出される人です……」
雅くんははぁ、と溜息をついた
「僕、そこらへんの男に興味ないのに」
「雅くんも、苦労してるんだね」
おれは、同情の眼差して彼を見つめた
男子校のお姫様勢も大変だ
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