青春の定義 転校生がくるらしい 「ひぇええええー……」 「どうしたの、慶」 教室に戻って友達たちと駄弁っていたら、慶が情けない顔して教室に入ってきた 「なぁんかぁ、今日外周することになったんだけどぉ……」 「5`」 「10`」 「100`」 「30`」 「42.195`」 「はーい、誰だキモイ数字並べ続けてるのはぁ!てか、スルーしたけどフルマラソンより長いのが途中混じってたよな!?」 「元気じゃん」 あはは、と笑うと慶がむぅっと顔をしかめた 「俺の取り柄だから!てかさ、聞けよ!外周10`しろってんだぞ!?」 「そりゃ、ご愁傷様」 「翔太、心込もってねぇぞ」 「込めてないから」 翔と慶のそんなやりとりをみて、近くにいた友達の森田が 「翔太ってよぉ、慶と接する時と優斗と接するとき違うよなー」 とからかうように言ってきた 「あの二人は昔からああなんだよ。気心知れない仲っていうか……」 「ふーん?お前も大概鈍感な」 「は?なにが?」 「なんでも」 ??なにが言いたかったんだろう 「てか、そんなのどーでもいいわ!」 慶が突然声を上げた 「いいんだ?!」 「うん。それより聞いてくれよ!なななんと、この学校に転校生が来るんだってさ!」 「「「うん、どうでもいい」」」 近くにいたクラスメイトたちの声がハモる 「それな」 慶は至極真面目に頷いた [*前へ][次へ#] |