星屑の煌めき
(銀魂/銀時)深紅と青磁は咎の色
「銀さんの髪の毛ってアレだな、綿菓子みたいだよな」
「あー? 綿菓子ぃ?」
「ああ、綿菓子。ちょっと座ってソファに座って、ソファに座れ!!」
「お、おう……っていうか、え、ザビ子ちゃん、なに急にお前どうしたの怖い」
「いや。別になにも。ただ急に思ったのさ、銀さんの髪の毛ふわふわだなぁ〜綿菓子みたいだなぁ〜って」
「急に思ったってお前のそのよくぶっ飛ぶ思想はどうにかならないものか?」
「ならないなァ、多分〜。えぇい、とりゃっ!」
「うおっ、ちょ、お前いきなりなにすんだ!」
「銀さんの頭を正面から掴みました。」
「そうだよねーって誰も冷静に今の状況を説明しろとは言ってねえだろ」
「♪ふわっふわ〜、ふわっとくるっくる〜」
「……お前それ俺ん事ばかにしてんのか、あー?」
「してないよ。銀さんの頭を急に鷲掴みしたくなったからしただけさ☆」
「猟奇的発想をどうにかしようぜ」
「♪ふわふわ〜、くるくる〜、あはは可愛いー」
「……」
「なんか癒されるなぁ、定春撫でてる時と同じ気持ちになる」
「俺は犬と同レベかー?」
「だとすると、銀さんは躾のなってない盛りのついた駄犬だね〜」
「…………お前むっかつくな、おーりゃっと」
「おぉぉふ、貴様なにするだー!!」
「お前とおんなじコト。頭鷲掴みしてんだ」
「ぬぎぎ……頭を固定されると首に負荷がかかる、地味に痛いなチキショー」
「っていうか。お前ほんと髪伸びたな」
「え、なにを急に。話が飛びすぎてついてけないわ」
「ん? ふと思っただけですよ〜、髪伸びましたね〜ザビ子さ〜ん?」
「貴様ぶん殴るぞ?」
「わりぃわりぃ。最初の頃は肩につく位のセミロング? だったのによぉ、時が経つのははえぇな、矢の如し」
「夏だからほっとけばすぐ伸びるもんだけどねー。
つーか頭離してよ、私もう離したじゃん」
「え〜、もうちょっといじらせろよ、暇だし」
「女子かあんた。私の髪の毛いじった所で暇は潰せないと思いますが」
「いや案外潰せるぞ、俺お前の髪質好きだし。ずっといじってても飽きないな」
「髪質……ちょっと癖のあるどこにでもある普通の髪の毛だと思うんだけどな」
「俺はお前が好きだから、おめーの事に関するもんなら全部特別に思えっからよ。
おめーがなんでもねぇ事だって、俺にとっちゃあ大事なんだ」
「ウーワー、銀さんくっさいよその台詞……なに、どったの急に気持ち悪い」
「てンめ、人が折角雰囲気作りしてやったのにそれ壊すか普通……!!??
誰もいない部屋、見つめ合う男女、甘い空気、これだけ揃ってんだからその気になれよコノヤロー」
「銀さん相手にその気になる方が難しいんだけどな」
「てめっ、それが恋人に対して言う台詞かコノヤロー!」
「うわばばばばば、顔近い顔近い顔近い顔近い顔近い!!!!
ちょっと離れろっていうか私の後頭部に回した右手を離せよコノヤロー近いんだよ!!!!」
「あぁ〜ん? ザビ子おめ真っ赤じゃねーか、照れてんのか?」
「銀さんの気持ち悪いニタニタ顔が目の前にあればそりゃ青くなりますよ」
「俺が見た所、顔真っ赤なんですが」
「それはアレだ、夕陽だバカヤロー」
「嘘吐け。ほっぺ熱いぞ」
「触んないで下さいセクハラで訴えますよ。そして速やかに離れろ」
「因みに嫌ですっつったらどうなんだそれ」
「うんどうあっても離れる気はないんだな貴様…………殴りますぞ」
「そりゃ痛いな。ただ近付いただけで殴られたら癪だな」
「いや…………だって銀さんの顔が近くにあって赤面しない方が無理というか無茶というか……黙ってれば格好良いし……好きな人が近くにいて赤面するなとかムズいぞ……ごにょごにょ」
「────────ザビ子そればっちり聞こえてるぞ……恥ずかしい奴め」
「え゙」
「なかなか可愛い奴だな〜、そーかそーか銀さん愛されてるなぁ〜?」
「ほぎゃぁあぁああぁぁあぁぁあああ忘れて今のは忘れて記憶を今の所だけ消してぇえぇぇぇええぇぇえ!!!!」
「リライトしそうな勢いだなお前それ。
しかーし残念ながら暫くは忘れらんねえな〜、ほーかほーかザビ子ちゃんは銀さんをそんなに大好きか〜」
「大好きなわけねーじゃん自惚れんなバカ!! 別に銀さんのコトなんかこれっぽっちも好きじゃないんだからな!!」
「なにそのベターなツンデレ台詞。可愛いな〜、顔真っ赤で爆発するんじゃないか?」
「クソ腰に回した左手離せやこの変態天パっ! っていうか人の独り言を勝手に聞くなよ!」
「素直じゃねーな〜、大好きな銀さんの格好いい顔がドアップだからって精神攻撃と肉体攻撃をするな。
っつうかこの至近距離で聞こえない方が可笑しいだろうが普通」
「仮に聞こえたとしてもそこはそっとしとけよ私の性格考慮した上でそっとしとけよ!!」
「お前の性格考慮した上でのからかいだバカヤロー」
「最低だ、アンタ最低だよ本当!! 真面目に怒るぞそろそろ私を解放しないと真面目にキレんぞ!!」
「もうキレてんだろ。つーかマジ落ち着けやザビ子、ソファーが壊れるからあんま暴れんなー」
「暴れさすような事をしてっからだよアンタが!!」
「え〜、だって真っ赤になって狼狽えるザビ子があんまりにも可愛くてよー、笑える」
「貴っ様ぁあぁああぁぁあぁぁあああ!!!!!」
「あっはっはっはっはー照れんな照れんな、ゼロ距離ナパームデスは死ぬぞー」
「いっそそのまま灰塵と化せよ……!!」
「フェニックス宜しく、灰から蘇ってやろうか」
「ていうか離せセクハラ魔神!」
「嫌ですツンデレ鬼神」
「よし分かった言い方を改めようか銀さん。
────────離しますか、それとも、肉塊になりますか?」
「怖ッ!? なにその2択オカしくね怖ぇよ!!」
「もう真面目に解放してよ……疲れた、私はもう帰って寝たい」
「…………仕方ねぇな、ザビ子のその真っ赤な顔に免じて許してやろう」
「そろそろ真面目に刑事事件が発生すっぞ」
「お、そんな態度取っちゃう? んじゃ離してやんの止ーめた」
「私が悪かったからそんなガキみたいなコト言うな、頼むから離してくれ」
「このまま離してやんのもなんかつまんねぇしな…………ふむ」
「うわ、イヤらしい顔……なにを思い浮かべたこのセクハラ魔神は」
「ザビ子、離してやっても良いぞ」
「ホントか、ならさっさと離れろ!」
「たーだーしー、一つだけ条件があるんだな〜?」
「……? 条件、なんだそれ?」
「所謂アレだ交換条件。俺がおめーを解放するかわりに、おめーからも俺になんかしてくれって話しだな」
「よっぽどの事じゃない限りならやってやるからさっさと離れろ」
「んじゃ、ザビ子から俺にちゅーして下さい」
「…………っ!!!! な、ば、を!!??」
「ザビ子が俺にちゅーしてくれたら離してやるよー」
「分かってらンなこたぁよォ!! 銀さんの意図する事に私が付いてけないだけだ、マジこいつ殴って気絶さしてやろかチクショー……!!」
「何事も武力で解決するのは最低だと俺ぁ思うねうんうん」
「うっぜ、攘夷やってたヤツになんかそんな事言われたかねぇ論破すっぞタコ」
「ほお〜? そんな態度取っちゃいますかザビ子?」
「う、わ……!! 腕に力込めるな抱き寄せるな顔を近付けるな暑苦しいんだよ!!!!」
「ザビ子がしてくんないから俺が自らしてやろーかと思って〜?
まあその場合絶対離さないけどなー、どぉするよザビ子?」
「どの道ソレかよ、嫌だ本当に嫌だ……!!」
「なあザビ子────────そんなに俺とキスすんの、イヤか……?」
「あ、いやっ、その、べ、別にイヤって訳じゃ……!」
「イヤじゃねーんなら、なんでそんなに拒否するんだ」
「ぅ……だから、その、っ…………は」
「『は』?」
「…………は、歯止めが掛かんなくなりそうだから、その、自制が出来なくなりそうなんだよ……」
「!」
「な、なんだよ……」
「…………ザビ子、おま、なんか俺が恥ずかしい」
「ちょ、なに銀さん顔赤くしながらニヤニヤしてんだよ気色悪さ倍増すんだけど気持ち悪いッ!!!!」
「素直になれよツンデレ。お前思ってた以上に俺の事大好きなのな……照れる」
「うぜぇニヤニヤすんな死ね……!!」
「ザビ子、俺はお前のモノだ、好きにしろ」
「!」
「そんでもって、ザビ子、お前は俺のモノな。だから安心しろぉツンデレー、どんな事もこの偉大な銀さんは叶えてやる」
「……アンタと話してっと頭いてーよホンット……バカ天パ死ね」
「バカで結構、ザビ子が望むなら地獄にだって迎えに行こうか」
「……ぶっふぉ、バカたれ。アンタの方がよっぽど恥ずかしいヤツだよ銀さん。
じゃあ私が地獄に堕ちた暁には、ちゃんと迎えに来いよ。勿論マッハでな」
「上等だよ、どこに居たってすぐに見つけてお前の事を浚ってやる」
「バーカ。…………目、閉じとけ。恥ずかしくて出来ないだろ……」
「ん。────────なんかおめー最後の最後に男前な……」
いつでもどこにいても。
お前を愛してるよ。
いや真面目にこんなの恥ずかしくて言えねえよ、っていうかぜってぇ言ってやんねぇすぐ調子乗っからなあの野郎。
10/10 銀さんハピバ!!
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