星屑の煌めき




(銀魂/銀八)淡い色、されど力強い色




「失礼しまぁす、ザビ子先生〜。あのぉ俺ぇ熱があるみたいなんでぇ〜、ベッド貸して貰っても良いっすかねぇ〜?」

「ベッドを使いたいならまず体温を計りましょうね坂田先生、熱があるならその右脇に抱えるジ○ンプは私が責任持って預かっておきましょう」

「ジャン○読みたいんでベッド貸して下さいザビ子先生」

「あなた社会人として最低ですよ坂田先生、というか社会人云々の前に人として最低ですよ坂田先生」

「別に使ってる奴居ねぇし良いじゃねえか。
俺とお前の仲じゃないのベッドの一つや二つ、貸してくれたって、誰も文句は言わねーよ。
ついでにお茶と茶菓子を出してくれたって、誰も文句言わねーよ」

「先生云々の前に大人として本当に最低だあんた、もっと社会人としての自覚持って下さい坂田腐れ天パ先生。
……あなたはそういう変なトコ、変わらないんですね、坂田先生」

「ああ? なにか言いましたかぁザビ子先生?」

「別になにも言ってませんよ。強いて言うならあなたに対しての悪口ですよ坂田先生。
保健室こ こで受持授業サボってるのがバレたら、また校長に大目玉ですよ」

「だいじょぶだぁって。当分の間校長は俺をどーこー出来ないしよぉ」

「またなにかやらかしたんですか? はぁ……、幾つになっても何年経っても坂田銀八ア ナ タという人は変わらないんですね、ホント。
こんなのと昔馴染みだなんて、口が裂けても誰にも言いたくないですよ、私」

「随分な言われようだなオイ、少年の心をいつまでも忘れない素敵な大人と言って欲しいぜ」

「いや、その時点でピーターパン症候群だから大人として最低ですからね……もう良いです、ベッドは貸せませんが椅子に座って静かにしてる程度なら許可します。
────静かに○ャンプを読んでるなら、いいですよ」

「やりぃ。助かるわ、問題児のお守りばっかしてっと癒しが欲しくなるんだよな、うむうむ」

「あなたも一応先生なんですから、節操もって下さいね……私だけ先生ぶるのは疲れるんですから」

「んだよ、別に構うこたァねえだろ? 今ここにゃあおめーと俺しかいねぇし、くだけていんじゃね」

「駄目ですよ。あなたがそんなだから周りの人間がちゃんとしてなくちゃ、調子に乗るでしょう」

「いいじゃんよ。大体俺おめーの敬語ヤなんだけど、なんか説教受けてるみてーで」

「説教をしているわけでもありませんが、まあ、遠回しに説教しているみたいですよ、間接的に」

「ちぇー、ザビ子は相変わらずお堅い奴ですねー」

「褒め言葉として受け取っておきますね、有り難う御座います」

「相変わらずかっわいくねェな…………なあザビ子、なんか食いもんねえの? 小腹空いた」

「食べ物ですか…………先程あなたのクラスの高杉くんがくれたチョコマフィンがありますよ」

「あー、じゃあそれ頂くわぁ…………って、あり?」

「はいどうぞ。食べ散らかさないで下さいね〜」

「へいへいへぇいザビ子ちゅわ〜んちょっと待ってくれよ、この可愛らしくラッピングされたチョコマフィンは誰から貰ったって?」

「ん? だから、あなたのクラスの高杉くんに貰ったんだけど」

「オイお前なんでサラッと普通に受け取ってんの、これこの感じ完全にお前に気がある感じじゃねぇかこの可愛らしいラッピングゥゥゥ!!!!
密かに慕ってる感剥き出しじゃねーか! いや剥き出しの状態を見る限りもう密かにってレベルじゃねーな日本語てめんどくせ!」

「可愛いですよね、お菓子作りが趣味だそうなんですよ。
私もお菓子作りが趣味なんだよって教えたらこれをくれたんです。
料理出来ない男性が多い現代日本の中、珍しいですよね。いま流行りのスイーツ男子ってやつです?」

「うんもう良いやなんでも。高杉に貰ったモンはこれで終わりか?」

「いいえ、まだありますよ。……クッキーにブラウニーとブルーベリータルト。
あ、さっき食べちゃったんですけどトリュフも貰いましたね、美味しかったです」

「お前女子か! 乙女趣味全開だなぁ高杉ィ!! お前そんなキャラだったっけ!?」

「まあまあ。ちゃんと坂田先生にも分けてあげますから落ち着いて下さいな」

「…………。まあ、ザビ子はこの手の話にゃあ昔っから疎いから大丈夫だろうけど、厄介だな。
今の内に手を打っておいた方が今後の為だな、うむうむ……」

「……どうした銀八、お前が考え込むだなんて珍しィじゃねーか」

「いや別になにも。その菓子も貰っていいか?」

「構わねぇけど、おめー医者に甘いモン控えるように言われてんだろ。ちったァ控えろよー、糖分ばか」

「あれあれあるぇ〜? ザビ子先生ったら素が出てますよ〜?
大人として節度ある対応をするんじゃなかったんですかぁ?」

「うるっせぇハゲ死ね。お前みたいなんに営業用の顔でいんのに疲れたんだよハゲ死ね。
昔と全く変わらないってのも考え物だな、ニヤニヤすんな気色悪ィよばか面ハゲ死ね。
つぅか、それよりも銀八、おめー授業いいのか?」

「今日はもう受け持ちないんでもちっとここに居させろ、菓子食いたいしジャン○読みてぇしー」

「はいはい、好きにしてろ自由人。私は構わないけど校長辺りにバレたら絶対減給もんだと思うんだがな〜。
────銀八、コーヒーとカフェオレだったらどっちが良い?」

「んー? ザビ子のチョイスに全てを委ねるわ〜」

「へいへい、要するにイチゴ牛乳な。
……って、おいテメェ、クッキーを食い散らかすな。後で掃除してけよ」

「おう、後でな〜」

「後でって今やれよ、全く…………。
いや、それにしても、なんだか学生時代に戻ったみたいだなぁ……。
こうしてっと先生オトナになったっていう現実を忘れそうになる、いけないな」

「────学生時代に戻った気分ついでに、俺と、もっかいやり直さない?」

「やり直しまーせんっ。誰がお前みたいなんと付き合いますか、アレは若気の至りの最たるもんだからお前もさっさと忘れろ。
────それ食って飲んだらさっさと出てけ」

「ザビ子はつれない奴だなぁー、銀さんのマジ告白もサラッと受け流してなおかつ俺を速やかに追い出そうとするんだもんなー。
つれねぇしお堅ぇし冷てぇし、ザビ子の相手は俺にしか務まらないと思うんだけどよ〜」

「寝言は寝て言えばか、その気が全く無いのバレバレなんだよ。冗談でもそんな事言うなよ。
げっ。ぅわ〜……うっかりコレ出すの忘れてた、やべぇなこりゃ。
私、ちょっと職員室寄るけど、誰か来たら対応任しても良いか?」

「はいよ。行ってこ〜い」

「さんきゅ、マジ助かる。すぐ戻っから────────!!」

「────────。…………さっきのアレ、わりと本気だったんだけどなぁ……やっぱもう遅ぇのかな……」











































遅すぎた開花。鮮やかなその色が憎らしい。

「悪い、遅くな…………銀八? 寝てんのか?」
「ぐぅ……すぅ……」
「……相変わらず寝顔は可愛いんだけどな、ホント…………口開くとロクな事言わないし……さっきの本気にしたらどうすんだよ、ばーか」
















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あきゅろす。
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