星屑の煌めき
(銀魂/銀時)あなたの為に出来る事
「禁酒すると宣ってからだいぶ経つが────珍しく持ってるじゃないか、銀さん」
「るせぇ、おめーら俺をハメやがって……どれだけ俺がK点越えたかと思って……うげぇえ」
「K点どころか大気圏ぶち抜いてたけどね。まあ、コレに懲りたら酒は程々にするんだな。私だって心苦しかったんだぞ銀さんを騙すの……ぷくくっ」
「いや悪いと思ってないだろその笑い、完全に楽しんでる風だよな、思い出し笑いすんな腹立たしい」
「いやはや、銀さんのあの時の顔たるや……この先語り継いでおきたい醜態であるからして、ククク……」
「お前よ、少しは俺を労れよ。アレの所為で俺の心には新しいトラウマと癒えない傷がついたんだからな、俺開いちゃいけねー扉を開いたみたいなんだからな。
ちょ、もうマジ自分で言ってて吐きそうで死にたくなる」
「ガ〜ンバ☆」
「ムカつくわァァァァ!!!!」
「まあまあとりあえず落ち着け。本当はさ、私だって嫌だったんだよ?
演技とはいえ銀さんが他の女の子と同棲したりすんの、結構本気でムカついてたんだ」
「……だったら加担するなよ、なんでそんな笑顔なんだよ」
「だって銀さんてば酒乱だし、ちょ〜っと灸を据えねば、と思いまして。
最高に良い機会だったからさ、忘年会ったら酒飲むのに適してるしな!」
「いやもう俺本当泣きたくなるんだが、なあ、これなんて嫌がらせ……?
くっそ、誰だよ首謀者……こんな理不尽なトラウマを生み出しやがって…報復してやる」
「やべー、私銀さんに報復される、それだけは勘弁な!」
「ってお前かいぃぃぃぃ!!」
「だって銀さん、この前酒の勢いで私を押し倒したから、これは本格的に殺…………ごふん……ねえ?」
「おいぃぃぃ、今サラっと俺の知らない俺の所業が明らかに!!??」
「流石の私も堪忍袋の緒がブチギレたんで、全蔵と手を組んでみんなに一芝居打って貰った。
私だってほんとぉに心苦しかったんだってば〜あっはっはっはっは〜!」
「なんでそんな爆笑しながら言うんだ、それぜってー楽しんでる証拠だろォオォォオオ!!」
「なんかよく分かんないけど、銀さんたら長谷川さんとフラグ立ててんだもん、面白いったらないわ〜、ぶわーはーはっはっはーーーーっひゃっひゃっひゃっひゃー!!」
「止めろォオォォオオ!! これ以上人のトラウマをほじくり返すのは止めろォオォォオオ!!!!」
「まあ。酒は飲んでも飲まれるなって事かな? 銀さん自身良い教訓になったろ、嗜む程度なら別に構う事はないんだがな」
「あの日以来、飲んでねーよ…………いや、一回だけ飲んだ。トラウマを忘れ去る為に。
もうホント、俺死にたい…………うぅ、吐き気がぶり返してきた!」
「うわ、ホント大丈夫か銀さん? トイレ行くか?
────────騙したりして、本当に悪かったなぁ……」
「もう銀さんは生きてけません、これから先俺はどう生きて行ったらいいのか分かんねーし。
もうこうなったらアレだ、ザビ子おめー責任取って俺の嫁になれ」
「……っはぁ? 馬鹿かおめー、それとこれは違うだろ、関係ない事言うなよ」
「関係あんめーな。銀さんの男としてのプライド云々は完全に粉砕されたのでもう復活しません。
そうなったのは首謀者である誰かさんの所為だろォ、ならもうおめー責任とって銀さんの嫁になれ」
「え〜……? 因みに、ヤダっていったらどうするよ」
「その場合は銀さんがザビ子の婿になります、きりっ」
「いや『きりっ』じゅねぇよ銀さん。ヤダよこんな万年プートが私の戸籍に名を連ねるだなんて」
「え、そんなに嫌か!? つうかプートってなんだ!!」
「プー太郎+ニート=プート、これ流行らないかな?」
「流行んねーよ、てか流行っちゃダメだろそんなマイナス要素しかない単語、どんだけ江戸は不景気の煽り受けてんだよ」
「世界的に厳しいからな、雇用する方も大変なんだろう」
「へー、そっか」
「ヘソカっ☆」
「やってる場合じゃねぇよ!? つーかお前サラッと俺の渾身のプロポーズを流すなよ!!」
「いやだって…………嫌だもん」
「…………そんなに嫌がるか普通、恋人からプロポーズされて……」
「うー、でもなぁ…………昔の人も言ってたし」
「?」
「♪ラブイズオーバ〜〜悲しいけれど〜」
「昔の人じゃねぇじゃん、しかも歌かよ、そして歌詞違う上に音痴だな!?」
「うっさいよ銀さん、音痴は銀さんだけには指摘されたくない。
こほん、まあ、銀さんがこの先も禁酒し続けるって約束出来るなら……考えてやらなくもない、かも」
「!? ホントか、ザビ子!?」
「禁酒を守り続けられたら、その時運良く魔が差したら、考えてやらなくもない」
「後半に向けて殆ど嫌々なんだけど、ねえそれ俺喜んでいいのか分かんないんだけど、ねぇ」
「……もちっと素直に喜んでくんない?
この非の打ち所のない完璧超人みんなの憧れザビ子ちゃんが、銀さんみたいなまるで駄目な大人略してマダオを私の清廉潔白な戸籍に名を連ねてやっても良いって言ってんだからさ」
「いや、ザビ子。おめーはおめーが思ってるほど完璧じゃねーよ」
「お前も私の決め台詞を台無しにすんなよ」
私と貴方の未来を考える事。
末永く、二人仲良く寄り添っていたいから。
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