星屑の煌めき




(首!!セルティ)譬えソレが禁忌でも




「おはよセルティ、今日も一段と美しいね!!
今日も朝からそんな完璧な君に出会えるなんてコレは最早運命だね、セルティ愛してるよだから結婚して下さい!」

『……お早うザビ子。お前は今日も朝から一段と頭がおかしいな』

「もうわたしの頭の中はセルティの事以外考えられないぐらいにバグっちゃってるね!
必ず君を幸せにするセルティ、だからわたしと結納を交わして下さい!」

『いやそれさっき聞いたけど…………ハァ、お前といい新羅といい、私のどこがそんなに良いのか分からないな』

「分からないなら教えてあげるよセルティ!」

「君の存在の美しさという物語を!!」

『うわっ!? 新羅しんら、お前今どこから出て来た!?』

「え、なんで起きてるの新羅。わたし昨日キミが飲んでるコーヒーに一生目覚めなく程度の睡眠薬を盛った筈なのに

『ちょっと待てザビ子お前そんな事したのかっ!?』

「ふふん、甘いなザビ子……。僕を殺そうなんて夢は視ない方がいい。
俺は死なない、まだセルティと結婚もしてなければセルティの口から愛の言葉も聞いてないのに死ねるワケがないね!!
だからザビ子君はさっさと帰れ、ザビ子は確か臨也いざやと同じくらい静雄しずおに目ぇつけられていたろ、死にたくなきゃさっさと渋谷ホームグラウンドに帰りなよ。
知人から殺人者が出るなんて、私はいやだからね」

「ちっ。今度は青酸カリを盛っておくか……わたしとセルティの愛の楽園を築く為には新羅……キミは邪魔だ。
新羅消えてくれよこの駄眼鏡風情がセルティとわたしの愛の巣に踏み入るでない男風情が穢らわしいっ!!」

「君の方こそ消えてくれよ。第一ここは私の部屋であり私の家だ、なんか良く分からないけどなんでここに住み着いてんだよ、ザビ子」

『言われてみれば、いつの間にかここに住んでるよな。
違和感なく溶け込んでいたからすっかり忘れていたが、ザビ子は家に帰らなくてもいいのか?』

「セルティが居る場所が、わたしの住むべき場所だよ!」

「うっざ。いい加減にしないと警察呼ぶぞ」

「呼べば? そしたらキミが今まで行ってきた手術オペの内容を洗いざらいゲロってやるよ、それでも構わないなら呼んでみれば?」

「なにそのどや顔輪をかけてウザいんだけど。捕まるなら素直に捕まるだけに収まってくれよ。
然もそれはセルティの身にも危険が降り懸かるって事を理解してるのかい?」

『まあ、言われてみれば……危ないかもな』

「大丈夫だよセルティ、わたしがそんなヘマをすると思うぅ〜?
こう見えても情報操作は巧いんだから安心して、セルティに危険が及ばない、且つ、新羅だけが巧い事捕まる様にするのなんてお手の物よ。
そしてセルティだけはわたしが守る────わたしの命に代えても守る」

『それはそれで一種の恐怖を覚えるぞ!?
第一、身内から逮捕者が出るのなんてごめんだぞ、私は!』

「それこそそんな事しないからだいじょーぶ♪」

「大丈夫だよセルティ、こんな子を誉めるのは癪に障るけどザビ子の特技は証拠隠滅なんだよ。
それこそ、例え俺が殺されてもその事実は絶対に表に出ない……そう、絶対に」

『ちょ、駄目だぞザビ子!? 人殺しは駄目ゼッタイ!』

「えー? い・や☆」

『ザビ子ーーーーーー!!??』

「むふぅ、どーしよっかな〜♪
殺っちゃおっかな〜、どーしよっかな〜♪」

『ザビ子、頼む。この通りだ……新羅を、殺さないでやってくれ』

「……セルティ」

「────しょ〜がない。わたしだって鬼じゃない、そんな泣きそうな顔しないでセルティ。
ごめんて……泣かないでセルティ、わたしは貴女を悲しませたい訳じゃない」

『泣きそう顔……私には首がないぞ、何故泣きそうだと思うんだ?』

「そりゃあ、あれだよ。ねぇ新羅?」

「そうだね。あれしかないねザビ子」

『? あれってなんだ? っていうか急に仲良しになったなお前達』

「────好きな娘には笑っていて欲しいっていうじゃないか」

「────好きな娘は、泣かせたくないっていうじゃない?」

『────────……』

「でもザビ子の場合、女の子同士だからセルティとは絶対に結ばれない運命にあるわけだどね。
それにセルティは僕の事が好きなんだから君が幾らセルティに言い寄っても無駄なだけだよ、諦めな」

「はぁ? なんだと? 馬鹿なのか新羅? 今日び同性同士でも結婚出来る世の中なんだよ。
だからセルティがその気にさえなってくれればわたし達はいつだってハネムーンだ、羨ましいだろ!」

「セルティがその気になるなんて絶対ないね、未来永劫現れやしないよそんな日は」

「それにな新羅。わたし達の場合、『──人間と妖精の許されない恋──』のキャッチコピーの他に、『〜許されない百合の楽園〜』的なキャッチコピーがつきそうじゃね!?
どーよ、羨ましいだろ! キミの場合は一個しかハンディはない、然しわたしには二つもあるんだぞ、凄いだろう羨ましいだろうハッハ〜ンだ!」

『いや、あの、お前達馬鹿なのか?』

「クッ……別に悔しくなんてないぞ……僕にはセルティを愛してるという事実を胸に生きているんだ!」

『馬鹿だ! コイツ等馬鹿だった!』

「でも残念だったねザビ子、君の言う通り、君の方がより禁忌的行為だとする、だが然し!!
だが、そんなものは俺がセルティを愛してるという意味の前では児戯にも等しいね!」

『なあお前達私の存在無視か? 馬鹿なのか、死ぬのか?』

「えぇい、これでは埒があかない!!
こうなったらセルティ自身に決めて貰おうじゃないか、新羅!?」

『え、ちょ、ここに来てまさかの存在再確認されても……!』

「いいね。ソレの方が手っ取り早くて話が早いだろう!
じゃあセルティ!! 君はどっちの方が好きなんだい!?」

『お前等…………いい加減にしろォオォォオオ!!!!』











































ワタシは“君”を愛してるのだから。

禁忌と呼ばれる行為でも構わない。
だって、ワタシは人ならざる貴女に惹かれたのだから!
今更倫理とか、ワタシには説かないでおいてくれたまえ!
そんなものはワタシの愛の前では無力でしかない!













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