星屑の煌めき




(復活/綱吉)奇を想い天を外す




「ぬわァアァァアア!! なにこの冬休みの宿題の多さッッ!!
マジ鬼畜なんだけど、マジ鬼畜なんですけど、マジオニ畜的なんですけどオォォオオ!!」

「ザビ子煩いぞ、口を動かす暇があるなら手を動かせよ……」

「ツナの癖に私に口答えすんな、お前、私がいなきゃ宿題の大半は終わらない癖にぃ!」

「ぐっ……尤もな事言いやがって!! 正論だから反論も出来ないしな!」

「まあまあ。勉強見てあげるから────この小煩い子供達をなんとかして?」

「ガハハハ、ランボさんもしくだいやるもんねー!!!!」

「ランボうるさーい!!!!」

「ランボ、ツナ兄ぃとザビ子姉ぇの邪魔しちゃだめだよ!!」

「フゥ太とイーピンはいい子だな、私はキミみたいないい子が大好きだぞぉ?
ランボ────ザビ子さんはその場の空気を読まないヤツはブチ  したい位嫌いだぞ」

「ブギャアァ!! な、な、な、そ、ランボさん怖くなんか、ないもんねぇぇぇ!!
びぇぇぇぇぇ!! ツナァアァザビ子がランボさんの尻尾持って振り回すぅぅぅ!! 助けるだもんねぇぇぇ!」

「ランボ回る! ぐるぐる! 危ない!」

「ちょ、それはマズいってザビ子! 幼児虐待は洒落にならないぐらい罪が重いんだぞ確か!」

「ザビ子姉ぇやめてあげて! ランボだって悪気があってやった訳じゃ……ないと思うんだよ、多分!
ね、だからザビ子姉ぇランボを降ろしてあげて!」

「…………そうだねぇ。フゥ太、ちょっとこの科白を、私の指示通りに動いてみ? ごにょごにょごにょ……頬を赤らめ小首を傾げて少し照れ臭そうにはい、復唱!」


「えと……ごほん……『お姉ちゃん大好きっ! だから僕がおっきくなったら、僕と結婚してねっ?』……これでいいの?」

「きゃわいいィィィィィィィィィィ!!!! そぉれライオ○キングごっこぉ〜♪」

「ぶぎゃっ! ぐぅ……ガ・マ・ン…………っうわァアァァアアん!!」

「ランボ飛んだ! 着地失敗っ!」

「ちょっ、ランボをオレのベッド目掛けて投げ捨てるなよ! 尻尾掴んで振り回すのよりタチ悪いぞそれ!?」

「うわ、ちょっとザビ子姉ぇこれ地味に高いよ!? ていうか僕もう九歳なんだから高い高いはちょっと抵抗あるよ!!
ていうか、よく高い高い出来るねザビ子姉ぇ、僕それなりに体重あるよ?!」

「私フゥ太みたいな可愛い弟が欲しかったんだけど、もう親には期待出来ないからこうして擬似弟で愉しむしかないの。
あ、ツナそこの問2の答え間違ってるよ。あと問5も間違ってる」

「ザビ子、お前さ、勉強教えるかフゥ太と遊ぶかどっちかにしてくれないかな……なんか、気が散る」

「そ? ならフゥ太、ここおいでここ」

「えっ……そ、そこは……」

「私の膝。胡坐するからその上にちょこんと座るが良い!
存分に愛でてやるぞ〜っ、さあおいでおいで!」

「ごめんツナ兄ぃ、ザビ子姉ぇには逆らえないや。僕の事は気にせず勉強続けてていいから」

「ほら、フゥ太もこういってる事だし気にしないで勉強すっぞ。
数学はもうやっつけたので、次は古典かな?」

「……ザビ子、悪いんだけどさ、数学のノート、あとで見せてくれないかな?」

「そう来ると思って解り易く解説付きでまとめておいたよ、ほれ数学ノート。
古典は、漢文と文法問題か……さてツナに問題です!
『草の戸も住み替はる代ぞ雛の家』、この俳句を詠んだのは誰でしょうか」

「いきなり分かんねー! ヒントくれヒント!」

「うわァアァァアアん!!」

「ごめんイーピン。ランボうっさいから下へ連れてってくんない?
あとはおば様に任すから、後で並森連れてったげるから頼むわ」

「ランボ任せる! 師匠会える楽しみ、ザビ子忘れない!」

「あいあ〜い。さて、ヒントだっけ?
ん〜……江戸時代の有名な俳人。もうこれ以上のヒントはないね、さあ解け」

「マジ分かんねー……そもそもオレ、勉強とか苦手だからザビ子に家庭教師カ テ キ ョ頼んだんだぞ」

「あは、ご尤も♪」

「腹立つなその顔……マジもういいから答え教えてくれよザビ子、なんの為の家庭教だよ」

「馬鹿だねツナぁ。カテキョはベンキョを見てあげるっていうのが仕事なの。
私達は答えに至るまでの工程を導くだけ、直接答えは教えないものなぁのっ。お分かり頂けまして?」

「分かったよ自力で解けばいいんだろ……ったく、これじゃ一人でやってんのと変わりないじゃん」

「変わるよ。答えが違ったら教えてるじゃないのさ。全く人聞き悪いぞツナ。
ちゃんとおば様からバイト代貰ってる以上、私は勤めを全うしますよ。
マで始まってウで終わる、漢字四文字平仮名七文字のあの人!」

「マ…………ま、……つ。お……っ!! マツオバショウだ!」

「正確。でも書く時は漢字で書いてね〜。
因みに雑学だけど松尾芭蕉は所謂ゲイだったんだって。
芭蕉の花は女性を意味する陰語でね、その手の方が良く使う源氏名みたいな感じだったんだと」

「うわァ、本当に無駄知識……」

「はあい問8の1、江戸幕府を作った人は誰でしょうか!」

「それは流石に分かるぞ、徳川家康だろ!」

「せぇーかい。
因みに雑学だけど、徳川家康はその昔武田信玄公との戦い、三方ヶ原の戦いで大敗を喫して無様にも自分の城へと逃げ帰ったんだ。
その逃げる最中も信玄公の攻撃の恐怖が頭を過ったんだろうね、鞍に脱糞したらしい。それを見つけて聞いた部下に対して『それは味噌だ、俺は味噌が好きで持ち歩いてるんだっ!』って言い放ったらしいよ」

「長い上にホントにどーでも良い雑学だったし! つか良くそんな事知ってるよな、ザビ子」

「え。だって歴史好きだし……特に徳川家の恥じなんて暴かずにはいられないよね」

「わわ、ザビ子姉ぇその笑顔黒い、その黒い笑顔止めて!」

「あっと……ごめんごめん。フゥ太を怖がらせるつもりはなかったんだけど……どうも私の徳川家に対する嗜虐心がこんこんと湧き出泉の如し溢れてしまう。
さて。もうなんか勉強とかかったるいんで外行こうぜツナ、駅前に新しいケーキ屋さんが出来たからそこ行こう!
フゥ太も行くかいってか強制連行だけどね、因みに反対意見は聞かないゾ☆」

「わぁい、ケーキ食べたいな、僕!」

「よし、勉強はそこで見てあげるから勉強道具一式持って来いよツナ!
んじゃ、私達は下で待ってるね、行こうフゥ太♪」

「ツナ兄ぃ早く支度済ましてねー!」

「え、ちょっ…………お前ら少しは俺の話を聞け────────!!」














































真実は濁ったままに。

「因みにぃ、徳川家の恥ずい逸話はまだまだあったり……」
「もう放っといてあげなよザビ子姉ぇ、徳川家康といえば僕のランキングの偉人部門にランクインしてるんだよ?」
「というか、お前俺の勉強すらみてない気がするんだが。ザビ子、後で母さんから貰ったバイト代、返せよ」













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あきゅろす。
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