極楽蝶華 Let's go to my home 「……もしかして、君の名前の中に【悠】、という字はないかね?」 『あ……はい。下の名前の一文字目が。』 「そうか……やはりな。」 …………。 『あの、やはり、って何がですか?』 「あぁ、済まない。 ……その字が、一族直系の証なんだよ。 代々名前のどこかに使われているんだ。悠臣、もそうだろう?」 『ああ……はい。』 と、するとハルキパパのハル、もその字が使われているんだろうな。多分。 話せば話すほど、ハルキパパ達の話す【悠臣】=【親父】が濃厚になっていく。 つか濃厚にされたんだが。 名前も一緒、外見も一致、好きな食べ物や癖まで同じならこれはもう別人だと言い張る方が無理がある。 名刺みたいなの貰った後、ハルキパパとナルと一緒にリムジ〜ンに乗って俺の自宅に向かった。 なんか話した気もするけど すっげーなっげーかっけー 明日友達に自慢しちゃおー とか考えてたら慎ましい我が家が見えてきて、リムジ〜ンによるドライブは終焉を迎えた。 (庶民が初めてリムジン乗ったら興奮してハッスルして訳がわからないうちに目的地に着くだけだと思うんだ) 「兄さ……悠臣は?」 『今日は……多分もう家にいるかと思(ry』 鍵を開けながら……扉と距離を開けつつ答えてたら。 ガチャ―バンッ―ギュウッ― はい慣れてるから驚きませんが、今のは鍵開けた途端に俺の親父が飛び出て来て抱きついてきた所です。 俺が扉から距離を取ったのは中から飛び出す馬鹿親父と迫り来るドアから身を守るためです。 これも毎度のことです。 『ゆぅっきちゃ……ぁぁぁぁああああ??!!!!』 後ろに立つハルキパパを見て、血相変えて親父が踵を返して一瞬で逃げた。 ……部屋の中に。 バカジャネーノ(゚Д゚)?? はぃ。袋のなかの鼠。 [*前へ][次へ#] [戻る] |