[携帯モード] [URL送信]

極楽蝶華
学園の諸事情2
「でもさぁー、今生徒会とか委員会の人急がしそうだよね。何であんなする事あんのかな?」


ぽつり、と疑問を口にする悠紀仁。



『もうすぐ夏休みだからな。明けたら文化祭もあるし、決めること多くて大変なんだよ。』



特にこの学園は……な。




「でもさ、それってちょっとおかしくねぇ?
前生徒会室で俊達が仕事してんの見たんだけどさ、普通は事務とかそんな所が決める事までやってて。
普通生徒が授業で使用する教材まで選ばないよな?」


『あぁ……それが、この学園が特別な所なんだよ。』


「? 何で?」



こてん、と首を傾げて俺を覗き込む。



!!……た……頼むから俺に向かってそんな可愛い動作しないでくれ!!


「…………・・・。」



ホラ獅子緒先輩の目に殺気が宿ってるぅ!!




『いや、あのな……
そうそう。この学園は琉崎グループが経営してんのは知ってるよな?』

「うん。」



『ここの契約取れるだけで繋がりが出来るし、第一仕事自体の規模もでかい。
色んな企業が群がるのは想像出来るだろ?』



「……本社とは新規参入が直接契約結べる訳無いもんな。」


ここの理事は総帥の息子だ。ここの仕事が取れれば即ち琉崎グループ本社との縁故が出来る。


『そーゆー事。
んで、それを事務とか教職員が決めてたらどうなる?
簡単に買収されちまうだろ?』


「まぁ教師も人間だしね。」

全員が涼皇寺先生ならそんな対策いらないんだろうけど。


『それを防ぐために学園関係の仕事は全部生徒会がやってんの。』



「俊とかが買収される筈ねぇもんな。納得。」



『理事長は経営で手一杯だからね。
それに生徒会の人間は必然的に家柄が良い人が集まっちゃうし……あの人達には将来の前哨戦になるから調度イイんじゃない?』



「なるほろー」






HR棟のエレベーターに乗り込み、一人納得したようにうんうんとかぶりを振る悠紀仁。





「あー……て事は俺も今から経営の勉強とかしといた方がいいのかな?
経済なんて中3の公民の知識しかねぇぞ俺。」


『悠紀仁も家、会社やってんの?どこ?』


「藤堂コーポレーションて解る?」


『うん……もしかしてあそこ関係?』




そういや名字が同じ……この学園にいるくらいだし、親戚筋かな?

[*前へ][次へ#]

69/299ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!