極楽蝶華
5
〜エピソード5〜
中3の時、族の皆で遊んでて
当時俺は喧嘩の実力的にはNO.2、みたいな感じでそん時の総長とは兄弟みたいに仲が良かった。
雅さん。
本名氷室雅宗(ヒムロマサムネ)。
男前で、バイク上手くて、背が高くて、親分肌で、いろんな意味で憧れてた。
そして……何処の族にもある、度胸試しの罰ゲームみたいなの。
通過儀礼みたいな軽いのね。
うちの場合は、それが
「ナンパ」
だった。
雅さんを筆頭に、うちのチームは異常に男前率が高くて……。
俺はいつも肩身の狭い思いをしていた。
ある日雅さんが
「おっしゃあ今夜はちょっくらナンパに繰り出しますか!!」
『うぉマジっすか?!やった!!』
俺は、アレですよ。
話してるうちに仲良くしてくれる女の人もいるんじゃないかなぁー……って。
早い話がおこぼれに預かろうと。
「ユウは駄目。」
『うぇぇぇぇぇ!!
何でですか?!俺も行きたい!!』
「だって、お前みたいなのがいたら女なんて誰もついて来てくれねぇーもん。」
「あー解る解る。ユウの顔見たら帰っちゃいそうだよねー。」
……雅さん、カズ、お前ら酷……
「てな訳でユウ君おるすばぁーん☆」
『え……ちょ、ま……』
「妬くな妬くな。怨むなら自分の顔の造り、だな♪」
爽やかに笑った雅さんは、そう言い残して出ていってしまった。
……あのヤロウ自分はモテるからって……!!
22(当時)のくせに大人げないんだよ!!
俺だってアンタみたいな男前に生まれたかったわぁ!!
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!