極楽蝶華 だから危機感をPart.2 □■□■□■□■□■□■ 『……悠紀仁!!』 遠目からでもすぐわかった。 あいつは人目を引くから。 人込み掻き分ければ、案の定。 「あー……不動、どしたん?そんな血相変えて……」 ッ……何でカツラ被ってねぇんだよ!! 大声で呼んでしまった名前を後悔した。 『……獅子緒先輩が一緒だっのか……。』 まぁとりあえず良かった。この人がいれば変な奴に絡まれたりはしてねぇだろ。 「うん。なぁ俺お腹減っちゃったから飯食い行こーぜ?」 『……ああ。』 急いで走って来たので息が切れていた。 本数は減らしたけど、やっぱ煙草やめようかな……。 「でな、奈緒先輩が生徒会室のルームサービス使っていいって。行こーぜー」 満面の笑みで……ホント嬉しそうなお姫様。 『え……て、は?』 「あそこさ、食堂とは作ってる人が違うんだってな?スゲェー美味いよね。」 ……生徒会室、で? あれか? もしかしなくとも今ならもれなくあの3人が付いてくんのか? 『マジかよ……。』 正直落ち込むわー…… 悠紀仁はと言うと、 「何頼もうかなぁー」 なんて、上機嫌。 ……ま、さ。 可愛いから許しちまうけどさ。 いいや。寮帰って……彰達とのゲームが終わったら二人っきりだし。 気を取り直して、歩き出した。 [*前へ][次へ#] [戻る] |