極楽蝶華 広いってば。 はい……。 はいはいはいはい。 長すぎない? あー……遠近法で向こうの廊下の行き止まりがかなり小さく見えマスガ。 ねぇここ学校だよ、な・・・・・・・? 嫌だなぁ、ここの掃除の当番当たったら…… ビルの清掃のバイトはしていたが、こんなに広大な面積だと流石にちょっと嫌になるな。 結局一番端にあるのが理事長室だったが、そこまでにあった部屋がたったの3つ。 こんな広いのに。 ……3つだよ?3つ。 「学費は気にしなくていい」って…… 悠貴さんすいません……どんだけするんですか?維持管理費だけで…… あ゙ー…… そして、多分その途中の【生徒会室】のプレートは幻覚だ幻覚……(←現実逃避) 重厚で高そうな扉。 藤堂グループのじーちゃんの部屋に負けず劣らずな高そうな材質に若干気後れしつつ、理事長室とプレートのかかったその下の扉を軽くノックしてみた。 -コンコンッ- ベニヤの合板なんかとは全然違う心地の良い音が響く。 中の人が一言二言話している。 だがしかしそれは俺に向けられたものではないらしく、室内だけで響いて扉の外にいる俺に届くことは無かった。 礼儀として、「どうぞ」と言われてから入るものなんだけど中から返事は無い。 もう一度ノックしようか、声をかけようか逡巡していると中から扉が開けられた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |