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極楽蝶華

 


俺の正面に琉崎が歩いて来る。
覚悟を決めて視界に入ってきた長い脚に沿って、そろそろと顔を上げて俺の前の長身を見上げた。

嫌な……こう、悪い笑み、をしている。


……バレ、て無い……よな?!バレて無いよね?!
どうかそうでありますように!!(←希望的観測)




息を切らす俺を横目に、どこかへと行こうとする長身。

追い掛けようと走りだすと琉崎が振り向いた。

「そこ。」

『へ?』

琉崎が顎でしゃくる先にはかなり金かけただろー的な5階建ての縦にも横にも長い建物。
門から見上げて木立の向こうに見えたバロック調の白い城だった。

「そこ、管理棟。理事長室は最上階。廊下端から端まで歩けばみつかるだろ。」

管理棟〜??これがか?

……まったこの金かけやがって。学校管理するのに何をこんなに必要なんだよ。
そして城である必要がどこにあるどこに。


『はぁ。』

つか連れてってくれねぇのかよ。不案内だなぁ。
俺が遭難したらどうすんだよ。


「それと」
『はい?』

まだあんのかよ。

「生徒会室も同じ階。見とけ。放課後忘れんなよ。」

・・・・・・は?
もう喋ること無くね?別に。口止めか?

『別に貴方が族のヘッドやってるとかバラしたりしませんよ……』

敵にしたくないし。
めんどくさいし。(←本音)


「ちげぇ。とにかく来い。……わかったな。
言っただろ。来なかったらシメる。」


疑問じゃなくて確定系な口調で命令する……あの、俺様な態度。
行ったとしてもシメられるか、限りなくシメるにニアリーイコールなことをされそうな予感がするのは俺だけ?


……もういい。考えたくない。



理事長室行こ。



取り敢えず血縁であろう理事長が常識ある人であることを祈ろう。
……贅沢は言わないから。せめて初対面の相手の首締めない程度には。

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あきゅろす。
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