極楽蝶華
俺は、敵かよ。
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長すぎる謝罪、という名目の時間。
嫌な予感と、苛立ちがつもって2人がいる扉に走り寄り、いきなり扉を開けた。
ソファの背の影から春日の頭が上がる。
『……何やってんだ春日。』
「俊?」
その下から
悠紀仁が顔を上げた。
「……遅くなってすいませんでしたね。」
ソファから立ち上がって横を通ろうとする春日の肩を掴み、なんだかわかんねぇ、ぐちゃぐちゃしてどろどろした感情込めて
気が付いたら振り向きざまの奴の顔を思い切り殴りつけてて。
分かってる。こんなことしたってどーにもなんねーし悠紀仁はまた傷つくだろうし俺の気持ちもどうにもなんねぇって。
―ガッ……ダガダガッ―
「……ってぇ。」
でも、駄目なんだよ。今春日の事殴らなきゃ、自分がどうにかなっちまいそうで、何で、何で、何で……俺は
「なっ……?!
俊、お前いきなり何やってんだよっ!!」
『……うるせぇよ。』
自分でも、驚くほど怒りを孕んだ声色に
いつもみたいな口調で言ってすぐに、辛そうな、悲しそうな顔をして黙ってしまった悠紀仁。
何でいつもみてぇに突っ掛かって来てくれねぇんだよ
何やってんだ馬鹿、って。間違いを正して貰えるそのポジションにも戻れねぇのか。
お前のダチにも戻れねぇのか?
痛い。痛い。痛い。痛い。
俺……は、駄目なのか?
何で春日や獅子緒や奈緒や猛にはそうやって軽く触らせるクセに。
俺は……敵かよ。
……そうか、最初そうだったよな
俺は、お前のチームの人間リンチしてボコったヤツとしか思われてなかったもんな。
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