極楽蝶華
執行猶予で手助け
それから、しばらく……
猫を抱き上げてとろける様な笑顔で、幼い口調……と言う会長方の好みど真ん中だったらしい悠紀仁と
もちろんそれを嬉しそうに見つめる会長達と
……何故か、茫然自失、といった顔をしている獅子緒先輩とで
俺は自分が何をしたらいいか分からなかった。
本音言えば、上手くこの場から逃げて……そうだ。
灰斗の所に悠紀仁に付いていた痕について話にでも行きたい。
でも、いつも飄々とにやけて学園最大、最悪の……醜聞を持つ、この先輩が……
ここ最近、悠紀仁の周りにいた獅子緒先輩が見せた表情や言動がぐるぐる頭を巡っていた。
俺は……悠紀仁に教える……べきなの、か?
決定されるまで、執行猶予で……。
少なくとも、悠紀仁を心から慕っているこの人に免じて……今回は、自分が助け船を出してみよう。
……自分の出来る範囲内で。
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