極楽蝶華
3
「その眼鏡……伊達?」
『いぇ……そういうわけじゃないですよ……
ものすごく、目が悪いです。さっき当たったのは偶然ですよ偶然。勘で言いましたから。』
なんとなく曖昧に答えてはぐらかそうとして……
「嘘をついたね?」
『へ・・・・・・?』
「そのレンズ、度が入ってない。」
はい軽く失敗。
『伊達……です。』
うぅ……なんか有無を言わさぬオーラがあるんだよこの人……
「何でそんなのかけてるのかな?」
この目立つ外見を隠すため、一番の目的は会長から身を隠すため。
言えないよなーって黙ってると久遠先輩が少し黒い笑顔を滲ませた。
「外して」
『…え…??すいません。無理です。』
「何で?」
何でって言われても……
『伯父さんの言い付けで。』
「ふ〜ん……言い付けね。
やっぱ外してよ。」
俺の話聞いてたのか?それともこの学園の奴らはみんなこうなのか??
みんな人の話聞かないのか?
『え……』
俺が詰まってるとさらに先輩が突っ込んできた。
しかも、有無を言わさぬオーラを纏って。
「隠されると気になるでしょう?外してよ。見てみたいからさ。」
先輩眼が笑ってません……っ!!
い、言い逃れ……ッ!!何か、……話題の転換はっ?!!
『久遠先輩も……』
「僕が、何??」
『久遠先輩も、その笑顔……伊達じゃないですか。』
久遠先輩の顔から一瞬で笑みが消え去った。
……お、俺、まずいこと……言っちゃった?
墓穴2つ目ktkrってやつ?
やめてください!真顔&無表情で怒らないでください!怖いですっ!
まぢやめて……まぢ……本気泣き入りますが。
つか近寄って来ないでください……後ろ壁だから、逃げられないんデスケド……
……腕………
……何で掴むん…?
『何ですか?』
「眼鏡……」
はぁ?
「作り笑い、僕も取ったんだから、君も眼鏡取れよ。」
え、ちょ、
……何その理屈……
「取ってくれないの?」
俺だって手ぇ使わなきゃ取れねぇよ。つか離してくれ。
俺ぁ、行動制約されたりすんのキライなんですょ。
『……手、離して下さい……』
「取ってくれないなら僕が取るよ?」
あ、やった片手自由になる♪
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