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極楽蝶華

5分もしないうちに戻って来た奈緒先輩。


……管理人さんは?


とりあえず扉が開いた。



『よく鍵貸してくれましたね。』

「あぁ……。
 マスターキーの保管庫の番号を偶然知っていてね。」



この人はまた笑顔でいけしゃあしゃあと……


どうやって耳に入れるんですか。それって俺の予測では(確信に近い)(そしてそれは恐らく真実)かなりの使役動詞を含むと思うんですけど。
んなもんが偶然耳に入るならルパンもびっくりだよ。



「それより……なんで俊の部屋にいたんだ?」


くろーい こわーい


『いや……それが、昨日から具合悪くて……朝廊下で意識無くなって、気付いたらこの中にいまして。』


だいぶはしょってるが嘘は付いていない。


「……そういえば、顔色……悪い……」


言うやいなや腰を抱き寄せられた。

額に手を充てて眉根をひそめる。


あー……奈緒先輩の手冷たくて気持ちいー。



「やっぱり、熱がある……
耳たぶも、熱いね。」



それにしても熱を測るだけなのに腰に手回して耳たぶ舐める意味がわからない。

……まぁ、別にいいですけどね。




『そうなんですよー。
……もぉ、あったま痛くて。部屋帰って寝ますね。』


「駄目だ。僕の部屋で寝てな。」


『えっ。いいですよー。』

迷惑だしー、と続けようとして思い出した。



鍵、高裏さんの部屋だー……


今戻ってもどーせ部屋に入れないな。
確かまだ学校がやってる時間だ。


『……やっぱり部屋使わせてください。』



とりあえずホント冗談抜きにぶっ倒れそうだ。

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あきゅろす。
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