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極楽蝶華
心の揺らぐ提案
 


うちの学園の特待生は、いずれも授業料と寮費は免除だが入れる部屋が違う。
スポーツ特待の生徒は4人部屋(部屋のアップグレードは差額分有料)、勉学か芸術の特待生は“邪魔されずに勉強・作業できる環境が必要だ”と個室のあるAグレードの部屋があてがわれる。
(確か、1年は勉学と芸術の特待生は合わせて11人だっけか。自費でAグレードの寮入ってる家の奴はすげーと思う。)

えーと、総合成績だと学年上位何人まで免除なんだっけ?
……まぁいいか。俺には関係ない話だ。

そして特待生はスポーツも芸術も勉学もまるごとAクラスにぶち込まれ、他と同じく35人で1クラスになる。
正直彰含めたスポーツや芸術の特待生は授業についていけないと言う話を聞いた。

でもまぁしょうがないよな、学年の上位10人と勉学の特待生だけだとクラスの人数が足らないし。
どの道スポーツ・芸術特待は1番下のクラスに入ってもついて行けねーもん
と彰が自虐的にネタにしていた。

つまり、学園内ではスポーツで特待受けてる奴が特待生の中では一番多いことになる。

ちなみに俺が得意なのは言語だけで他はからっきし。
つまり英語以外の試験の点数はメタメタ。
世界史や地理は聞いていて面白い話もあるが、如何せん覚えられない。
数学や化学、物理はもはや言っていることが理解できない。


でもいいんだ俺は、他に3人いる語学の特待生と共に数ヵ国語の授業受けて、その試験パスすれば進級・卒業できるから。

総合点だとクラス落ちどころかこの学校に入れもしませんが何か。




つまり俺は、一般家庭の出な訳よ。
生活費や雑費は家が出してて、自分の小遣いは夏と春の長期休暇で地元に帰った時親戚の店の手伝いをして稼いだ年収7万円で主に賄ってるのよ。


潤は、俺ほど一般家庭という程では無いが、とても裕福って訳でも無い。
本人曰く“ばーちゃんが見栄っ張りでさー。この学園の初等部をお受験させられたら受かっちゃったから”とのことだった。

つまり、一般家庭よりかは多少余裕があるものの正規の授業料・寮費を払ってるため、小遣いは貰ってるが俺と同じくかなりかつかつだと話していた。


『じ、時給いくら……?』


この時俺の気持ちはかなり揺れていた。

会長達なんか悪い人じゃなくね?でも獅子緒さんも生徒会入るんだろ?いや、しかし悠紀仁がいるなら大丈夫じゃね?
けど村上さん怖くね?

そんな言葉が次々と浮かんでは消え、消えては浮かんで来る。

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