極楽蝶華
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あぁ、どうしようか、しかし特待生の小遣い稼ぎ用に用意されてる学園内のアルバイトから想像するに、時給に魅力を感じずにいられない。
寮内のコンビニの店員
時給1000円
校舎、寮の公共スペースの清掃
時給1500円
寮内のスポーツジムのスタッフ(スポーツ特待生限定)時給1200円
学園の敷地内の清掃、除草(夏期休暇中)
日給20000円(昼食付き)
日程:終業式翌日〜一週間
学園の敷地内の遊歩道の除雪(雪降った翌日のみ)
時給1500円+除雪した距離に応じた歩合給有
潤と彰と一緒に、草むしりと雪掻きはやったことがある。
しかし臨時も定期も、学園内のアルバイトは毎回応募者多数で抽選漏れすることの方が多い。
スポーツ特待と、勉学・芸術の特待、潤みたいな家庭の生徒、その狭き門を通りたがる者は多い。
つまりこっから想像するに、生徒会のバイト代はこれと同じかもっと良い時給なんじゃないかって事だ。
「今の生徒会メンバーは誰ももらってませんけどね。一般の生徒が生徒会に入ることもあるんで、バイトに使う時間拘束する代わりに時給発生させることも出来るんですよ。」
「そないなことどうでもえぇねん!
時給がなんぼがさっさと吐けや透っ!」
痺れを切らした潤が吠えた。
この様子じゃこいつも大分生徒会の雑用をやるかどうかで揺れてるらしい。
「2000円です。」
『「よろこんでー!!」』
考えるより先に口が動いていた。
それは潤も同じだったらしく、言ってから自分でもびっくりして二人で顔を見合わせてしまった。
「えっと、この時給のままでいいんですか?
10年くらい前から変わってないらしいんですけど。文句あるならもう少し上がりますよ多分。」
10年くらい前から文句なんて出る訳が無いだろう。
常識的に考えて一般家庭の生徒がその時給に不満を持つ訳がない。
この時給を設定した、恐らく金銭感覚の狂った(琉崎会長みたいな)人、感謝します。
有り難くその恩恵に預からせていただきます。
「あ、あの……」
ここで彰が口を開いた。
「部活終わった後、とか、夜の数時間だけとかでも、雑用とか出来る……かな……?」
ブルータスお前もか。
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