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Short
■ a call
獄寺×雲雀/甘/獄誕用ツン×ツン?






俺は今日凄く機嫌が良い。

それというのも、昨日の昼休みにこんなことがたからだ…。



『―2年A組獄寺隼人…明日の放課後必ず応接室に来るように。…来ないと咬みころすから。』



ブチッと乱暴にスイッチを切る音がして、さっきまで騒がしかった教室が静まり返っていた。



「…ごっ獄寺くん何かしたの?」


青くなっている10代目が顔をのぞき込んでくる。


「ははは!獄寺呼び出しくらってんのな〜!」


人事なのを言いことに野球バカは呑気に笑っている。


それにしても…俺何かしたか?

心当たりがない…。


「…何もしてないと思うのですが。」


俺は山本を無視して10代目の方を向き、そう答えた。


「そうだよね。」


「はい…。」


「ていうか獄寺常に校則違反してるからじゃね?」


「あっ…それも…そうだね。」



「そんなこと今言わなくても良いと思いませんか?何考えてんすかね雲雀の奴。」


鬱陶しいように装ったが実はすごい嬉しかった。


俺は少し前から雲雀のことが好き…なんだ。
…恋愛対象で。






次の日


俺は誕生日だということをすっかり忘れていた。

朝10代目がよそよそしい態度だったから、何か気に入らない事でもしてしまったのかと悶々と考えていたら
「獄寺くん誕生日おめでとう!!!」
「おめでとうっ獄寺!」

山本と会うなりそう言われ、そこで初めて誕生日だったことを思い出した。



プレゼントといって差し出された小さな箱にはシルバーのネックレスが入っていた。


「高くなかったっすか!?」


「大丈夫だよ!それより、俺と山本2人まとめてでごめんね。」


「そんなことは全然いいんです!!ありがとうございます!!恐縮ですっ!」


俺は本当に嬉しくて心から感謝した。



「俺にはないの?」


「あっ…あんがとよ。」


「あはは!獄寺顔真っ赤だぜ?恥かしがりなのな!」


「…テメェ!」


「ごっ獄寺くん!誕生日くらい笑顔で笑顔で!」


「はっはい…そうっすね。」



そんなことを言いもって……
放課後。


俺は息を切らせて走りながら、応接室に向かった。



バンッ

「…やっときたね、遅刻するとは何様のつもり?」


「来てやったんだから有り難いと思ってもいいんじゃねぇか?」


雲雀は機嫌の悪そうにムスッとした顔をした。



「で?俺に何の用があるんだ?」


「………特に用は。」

少しビクッとした雲雀は珍しく控え目に呟く。


意外な一面もあるんだなと考え、用が無いことを知り落ち込んでから


「なら呼ぶなよな!俺だって暇じゃないんだ。」


強がって嘘を言い、ガッカリしながら出て行こうとドアノブに手を伸ばした。


「ちょっ……ちょっとまっ!」


突然後ろから腕を掴まえられ、驚いて後ろに転んでしまった。



「いってぇ……おいっ大丈夫か!?」
「んっ……平気。」

雲雀を下敷きにしてしまう。
最低だ俺…しかもカッコ悪い。


「わっ悪いな…。」
「……別に。」


雲雀の顔が近くにあって緊張しながら立ち上がる。

心なしか顔が赤かったような気がしたが……気のせいだろう。



「ねえ…そのネックレス何?」


「ああ…これは10代目にいただいたんだ!」


あえて山本の名前を出さずに答えたら、雲雀は応接室に入った直後よりも機嫌の悪そうな顔をした。


「…それ貰って嬉しかったの?」

「当たり前だ。10代目から直々のプレゼントだぞ?」


「………。」


「どうしたんだ?」


「別に…。良かったね!」


少し怒鳴られるように言われて困った。
これじゃあまるで…



「…嫉妬してんのか?」



っておいおい!
何言ってんだ俺は!
いくらなんでもそれは無いだろ!


「だと…したら?」


うつむきながら小声で呟かれる。


とっさに出た言葉は



「すっげえ嬉しい…。」



「………。」



「俺…。」


「俺お前が…「好き…好きだよ僕は…君のこと…。」



とぎれとぎれに出てくる言葉に現実味がわかなかった。
いつも俺は雲雀を見ていた。
俺だけが見てたと思っていた。




「俺も…!俺もだ…大好きだ!」


「誕生日…おめでと。」



心臓がバクバクうるさい。
このまま止まってしまってしまうんじゃないか?


俺は間抜けな顔をしていたかもしれない。


「あっおお…その…。」



「…じゃあもう用事済んだから…帰っていいよ。」


そう言って雲雀専用の椅子に腰掛け後ろを向く。


「まだ俺の気が済んでねえ…プレゼント貰ってない。」



俺は雲雀の方に近寄って行きキスをした。





顔をあげると、驚いて真っ赤になった雲雀がいた。


「真っ赤になってんぞ。」
と言えば、
「バカ……。」
と返す。



こんな嬉しい誕生日…初めてだ。
ずっとこのまま時が止まれば良いのに。
そう思いながら笑顔の雲雀を見つめた。






END






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あきゅろす。
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