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ショクザイ
これから料理を始めましょう
野菜を茹でて
魚を切って
お肉を焼いて
スパイスも忘れず加えましょう

振り下ろされる包丁に
食材達は はらはらはらはら

怖くて逃げ出すジャガイモさん
ころころ転がって行くけれど
掴み取られて刻まれた

飛び跳ね水へ戻してと
伝えてくるのはサーモンさん
けれども尾ひれを捕まれて
残されたのは骨と皮

話したくても話せない
既に切られたお肉さん
それから更に叩かれて
フライパンへ投げ出した


出来た 出来た
料理が 出来た
「いただきます」の合図と共に
ナイフとフォークが踊り出す


一かけ二かけ三かけと
お口の中へ“さようなら”

おいしい おいしい
頬張る人達
彼らにこれは伝わってるの?

だけど意識はもうないよ
だってただの食材だから



「ごちそうさま」の一言で

綺麗さっぱり亡くなりました





「食材」と「贖罪」をかけていたり…。


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あきゅろす。
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