[携帯モード] [URL送信]

雨空
異物=危険物

土方に着いて真選組屯所まで来ると、尋問室?とかなんとかに入った。

道中新鮮グミではなく真選組だと訂正というか突っ込みされた。

どちらでもいいのに。

『で、何の用なのですか。原田とかいう人にごめんなさいすればいいのですか?』

聞くと、真剣な声が返ってくる。

「…血濡れの灰猫さんよ、」

さっきまでは小生を斬凪と呼んでいたのに血濡れの灰猫、と呼ぶ。
これは、小生に依頼したがるときのお決まり。

睨み付けるような、食い入るような、何とも言えない視線で小生には気に入らなかった。
どこかに蔑みも含まれているそれには、もう慣れた。

「…地球から、出ていってくれねえか」

『ふぇ?』

予想外の言葉。

『何でですか?』

「お前は、星海坊主なんかとは違って無差別に殺しまわってるんだろ?だから色んなやばい組織もお前を雇いたがる。
お前が地球に来たってのはもう広まってる。
お前がこの江戸にいるってのもな。
この数日間だけで色んな組織が動き出してやがる。
だから、面倒が起きる前に地球から立ち去って欲しい」

『良いじゃないですか。真選組の仕事増えて給料アップですよ』

「残念ながら上がらねえよ。
…そりゃあうちだって出来るならしょっぴきてえよ。
だが今回は手が出せねえ。」

手が出せない?
まさか、



『……春雨、?』

神妙に頷く土方を見て、小生の顔には笑みが浮かんだ。

彼の同族の兎を思い出して。



[*前へ][次へ#]

21/22ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!