雪屑のエスカレーター
▽
生徒会室を向日さんが開け、促されるままに入るとパンッパンッと勢い良く爆竹みたいな音が鳴り響く。
驚きながら奥へと入ると、帰っているハズのテニス部の皆が居て
皆の手にはクラッカーがあった。
状況が上手く掴めず戸惑っていると
「「津軽誕生日おめでとう」」
その場に居る全員が、私に向かってそう言った。
嗚呼、そうだ完全に忘れていた
誕生日だったんだ。
いつもなら自分が
今日で何歳になったかくらいしか考えたなった誕生日
1人で生まれた事を後悔する日
だけど今は誰かに祝ってもらっている
少し混乱しているのか現実味が無くて、まさか祝ってもらっている実感がなかった。
「おめでとうございます。津軽先輩」
日吉さんがショートケーキを運び私に声をかける。
「あ、ありがとうございます。」
かなり大きめなショートケーキに驚いたが
ケーキの上にある板チョコに(津軽七美、誕生日おめでとう)と書かれている事に驚く
板チョコに書かれた言葉を見てから、ようやく人に祝ってもらっている実感が沸いてきた。
2014/6/23[Mon]
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