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雪屑のエスカレーター




翌日、私は岳人と仲直りした事が嬉しくなって、いつもより早めに部室に向かう。
仲直りの手伝いをしてくれた忍足さんに、感謝の気持ちを伝えたくて
早くマネージャーの仕事を片付けた。

部室にいつものように挨拶に来る跡部さんに会うと
「どうやら、仲直り出来たみたいだな」
と言われる。

「解りますか?」

そんなに顔に出ていただろうか、なんとなく恥ずかしくなって聞いてみると

「顔に書いてあるぜ。なぁ樺地」

跡部さんが背後に控えている樺地さんに問い掛けると頷き

「……津軽さん、嬉しそう」

珍しく意見を口にする。

樺地さんが言葉にするほどに、私解り安かったんだ。

更に恥ずかしくなって、うつ向きため息をつく。
そんな私に跡部さんは、微笑みながら

「とは言っても、向日の奴が解りやす過ぎるくらいに跳ね回っているがな…」

ん?……跳ね回っている!?

意味が解らず首を傾げていると、樺地さんが気を使って部室の窓を開けてくれる。

窓の向こうには、制服のまま満面の笑みを浮かべてムーンサルトや色々な宙返りをして見せている岳人がいた。

「な、解りやすいだろ?」

半分呆れた表情で跡部さんは、窓の向こうの岳人を見て、私にそう言った。

「………はい」

私は自分以上に、岳人が恥ずかしかった。

けど、仲直り出来てよかったとそう思う。



2014/11/9[Sun]






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あきゅろす。
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