絡繰-カラクリ- 昨日の夜 「俺たちゃてめぇに危害を加えるつもりは一切ねぇ。んなに警戒しないでくれ。……昨日、何があったか覚えてねぇか?」 「………き…のう…?………あ」 思い出した。 捕まれた腕。飛んだ刀身。 そして、浮かんだ体。 「………助…かった…?」 「ん?そうだ」 「………っごめ…なさい!」 助けてくれた人たちに、武器を向けてしまった。 急いで武器をしまって、頭を下げた。 「気にすんな、仕方ねぇよ。にしても…」 「どーしたんです?」 不自然に言葉を濁すシスイに、ナツキは首をかしげる。 「いや、まさかこんなに早く起きれるとは……。昨日の夜……、まぁいいか。起きれたんだし」 「……夜?…アンタ本当に何やったんで?」 「……っ!?俺は何にもやってねぇっつってんだろ?!」 「信ジラレマセーン」 「殺されてぇか貴様!」 「うわー、怖ーい、最低ー、誰かぁー」 「ってめ…!」 「…あのっ」 「「……あ……」」 少女の声で、二人の口論はピタリと止まった。 [*前へ][次へ#] |