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流竜神話
懺悔の詩
 

揺れる葉が落とす木漏れ日に抱かれて

安らかなるその時を
響く音色に託して

御影の枷よ

湖の畔に小さく
ひっそりと眠る彼女を

どうか、苦しめないで
ただ一つの願い

この奏が君を
穏やかにするのなら

この奏が君を
癒すというのなら

いつまでもいつまでも
僕は奏でよう


凪いだ風が運ぶ静寂に包まれて

安らかなるその時を
響く音色に託して

封印の呪よ

湖の畔で小さく
幸せに笑う彼女を

どうか、苦しめないで
ただ一つの願い

この奏が君に
安らぎを与えるのなら

この奏が君に
染みるというのなら

いつまでもいつまでも
僕は奏でよう



また会うことは
決して叶わない

それでも、と
君は言う

「生きて、生きて
その音を響かせて…」


深い眠りの海の底まで


奏でるよ奏でるよ

君が独りでないと
伝えるよ

悲しみも苦しみも
雨と共に拭い去る

流れる清い雫になろう
暖かい癒しの涙になろう


そして何度も何度も

この音を響かせよう


心に刻んだ久遠の誓い

決して
違えることのないように


いつまでもいつまでも





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あきゅろす。
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