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コイスルオトメ
8
次の日。いつものように
与謝野ちゃんと大学の
ランチタイム。流行りのケバブが
売られていたから買ってみた。


ジューシーな肉汁と
野菜のシャキシャキとした
ハーモニーがお口の中に広がる。
買ってよかった。うんうん。


「ねぇ与謝野ちゃん」

「何だい?」

「私さー。バイトとの親しい人と
1日だけ不純異性交遊する事になったんだ」

与謝野ちゃんは眉をしかめた。

「アンタ不純異性交遊の
意味わかってるのかい?」

「勿論。男女で遊ぶ事
まぁデートの言い換えみたいな感じ
じゃないのかな??」

「違うね」

「そうなのじゃあ何??」

「知らなくても良い事だけ
言っておくよ」

「はーい」

コホンっと与謝野ちゃんは
咳をした。

「で、千都世はその親しいバイトの
人と1日デートするって??」

「…うん。 私の秘密を握られたんだ
結構。国木田さんにバラすって
言われて。助けて与謝野ちゃん」

「ドラえもんかい?
私は…」

「与謝野もんー助けてよぉぉぉ」

そうやってのび太みたいに
与謝野ちゃんの手を握ると


「知るか」

手を振りほどかれ
睨まれた。

「まぁ1日だけなら
良いんじゃないかい?」

「な、何か私国木田さんを
裏切ってしまうみたいで
嫌なんだ。それは…」

「秘密を握られるアンタが
悪いね」

「た、確かに…」

「そんな何でも相手に聞いてもらえる
ってなったら妾はもっとハードルの
高い事頼むけどねぇ」


与謝野ちゃんは
妖しげな笑みを浮かべる。


「な、何か。
凄いこと考えてるでしょ?
与謝野ちゃん顔に出てるよ???」


「その男。
どんな奴なのか気になるねぇ。
そんな条件出すなんてその男
もしかして冴えないど…」

「与謝野ちゃんその先
言っちゃ駄目だからね
周囲の人に聞かれるとやばいし」

「アンタ…純粋じゃないのか
純粋なのか。はっきりしたら
どうだい??で、写真あるのかい?」

「あるよー」

私はiPhoneの写真フォルダから
太宰さんの写真を見せた。…の経験は
知らないけどこれだけは確実に言える。
美形だということ。


「まぁカッコいいんじゃないかい?
少し…女々しい感じもするけど」

「だよね。美人顔のイケメンなんだよ。
本当に綺麗で憧れちゃうよー」

「アンタちょっとテンション上がってる
だろ?」

「上がってないよ。
私は国木田さん一筋だから」

「そうかい。まぁ国木田国木田。
うるさいしね。アンタ…
ちょっと気分転換に別の男とデート
してみてから国木田の印象も
何か変わるんじゃ
ないかい??」

「それも一理あるね。
私…国木田さんしか最近
見てないから。」

「妾も国木田って何回聞いたか…
1000回くらい聞いたね」

「でも、デートか。
緊張するな…
私男の人とそういう過ごし方
したことないから」

非常に不安だ。
どうすれば良いんだろう?
国木田さんであれ、太宰さんであれ
デートっていうのは緊張する。

「まぁ、そこは男の頑張りよう
じゃないかい?頑張りな」

「うん。与謝野ちゃん
が、頑張るね…」

「変な事されそうになったら
すぐ妾か、110番。
デート場所決まったら見張ってて
あげるよ」


頼もしいなぁ。与謝野ちゃん
与謝野ちゃんが友達で良かった。


「良いよ。さすがにそんな人じゃないから
大丈夫。心配しないで。
ありがとう与謝野ちゃん」


「…楽しんでくるんだね。」

「うん!」


頼れる与謝野ちゃんに
相談して良かった。
何か、スッキリしたなぁ。


そうだね、デートって
どんなのか、分からないし
経験しなくてはいけないな。

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あきゅろす。
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