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コイスルオトメ
9
デートする日にちが決定した。
バイトと講義のない日。
本当に空いている日に丸一日
遊びたいらしい。


場所は本人曰く
「うふふ。秘密だよ〜
教えたら面白くないでしょ?」らしい。


でも、何でこんな私を
誘ったんだろう?


分からない。
容姿も特に目立たないし
性格は周りから変って言われて
友達も少ないし…


与謝野ちゃんは1人になった
私をみかねて友達になってくれた。
優しくて美人で頼れる友達。


私の覚えでは太宰さんは
面食いだったはずだけど??
よく分からない。


太宰さんと歩くの気が引けるな。
できるだけマシに見えるようにしないと。
嫌がらせだ。イケメンと歩くの何て…


今日はバイトがなくて大学の
講義がお昼まであった。
バイト代全然使ってないし
今日、服屋さんにデートの服にも
探しに行こう!!


というわけで横浜の大型ショッピングモール
「三井アウトレットパーク
横浜ベイサイド」にきた。


「…」


取り敢えず、1番私がいた場所に
近かった服屋に入った。


何、このオシャレな空間
気が引けてくるなぁ。


やたら明るいシャンデリアに照らされて
色とりどりの服がハンガーや
棚に置かれている。


私はハンガーに掛けられた
キャラメル色のコートを手に取ろうとすると…

「あ、すみません。」


蜂蜜色の艶やかな髪に
目大きくてまつ毛の長い。
人形みたいにお目目ぱっちり。
唇は厚くて眉の形良くて…
鼻筋通ってて、スタイルも良いし、
え、芸能人???


「あの…どうぞ。
私はこれ似合わないと思うので」


いや、適当に手当たり次第に取った
だけだよ??欲しいわけじゃないし
この人の方が確実に似合う。


「…いえ、私には似合わないですよ。
適当に手に取っただけなので
あなたに譲ります」


「いえ。大丈夫です。」

心まで綺麗。
もう、良いよ。本当に
あなたにこの服も着てもらいたいって
言ってる気がするよ。


「私もあなたに着てほしいです。
スタイルすっごく良いし
私が服ならあなたを所望します!」

「…言い過ぎですよ」


照れたぁぁ。本当に可憐な美人さんだなぁ
もう私は立ち去るしかないね。
うん。美人さんさようなら。
与謝野ちゃん並みの美人だった。



「じゃあ。私はこれで…」

「え、あ、ありがとうございます」

きっと彼氏のデートの時に
着ていくんだろうな。
あんな美人の彼氏だからきっと
カッコ良いはずだ。


今日は幸せだったな。
さてと帰るとするか…


折角だし、此処で有名な
スイーツでも買っていこうかな?

どうしよう。取り敢えず
地図の貼ってある場所見つけないと。


そう、地図を探していると


「あ、与謝野ちゃん。
来てたの???」

目の前に与謝野ちゃんが
通りかかって私は足を止めた。

「まぁね。ったく…
アイツら逃げやがって重いよ」


与謝野ちゃんもショッピングか。
結構重い荷物持ってるな。


どうやら与謝野ちゃんはバイト仲間に
荷物持ちをさせようとしたが
全力で逃げられて自分で
荷物を持っているらしい。


何となく与謝野ちゃんの事だから
察しがついた。


「荷物重いでしょう?
持つよ」

手を貸そうとすると

「大丈夫だよ。これくらい」

断られた。

「…アンタ何も買ってないじゃないか」

「まぁーね」

「取り敢えず、此処まで来たけど
どういう服買えば分からないから
帰ろうとしたってとこかい?」


よ、読まれた。
以心伝心ってやつだね。


「うん。その通り
さすが、与謝野ちゃん」

「アンタも妾がどうして
荷物自分でこんなに持ってるか
分かっただろ??」


「うん。分かったよ!」

「この荷物、妾の家に荷物
置いておくから、2時30分
噴水前待ち合わせで千都世。
アンタの服一緒に妾がみてあげるよ」

さっすが
頼れるなぁ。与謝野ちゃんは。

「ありがとう〜
与謝野ちゃん」

「気にしなくても良いよ。
別に…千都世と妾は
友達だからね」


与謝野ちゃんは私の肩にポンと手を
置いた。本当に良い友達を
私は持ったんだなぁ。

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