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小説調で10のお題
人間不信と笑顔(骸→山)



君の幸せが、僕の不幸だった。ただそれだけ。と微妙につながってます。読まなくても支障はないです。



さようなら、また会いましょう。

なんてことは言わなかった。

僕は最後まで彼に名前を告げず、何も知らない彼が通っている並盛中に襲撃を始める。

ランキングフゥ太のランキングの下位から順番に探しましたがどれもこれもハズレ。

彼のランクは2位。恐れていた事態が起きてしまうかと僕は気が気じゃありませんでした。

犬と千種には万が一彼がボンゴレの一味でも傷つけるなと言ってありますが……。

≪ガタっ≫

「骸……様……」

≪バタッ≫

おやおや、やっとギリギリの所で当たりが出たようですね。



* * *



「骸様。……山本武はボンゴレの関係者です」

こういうところはキッパリと言ってくれる千種は僕の顔色をうかがいます。

「……ハァ、非常に残念ですね。千種、犬、せめて山本武には僕の正体がばれないようにしなさい。多少の怪我を負わせても仕方がないです」

彼は本当に優しい……いや、甘いから僕が六道骸で仲間を傷つけた主犯なんて知ったら深く悩んで最後にはボンゴレの側を選ぶでしょう。ただ、彼が僕の事で頭を悩ませるなんて事をさせたくないのです。

いいえ、決して僕の側に来いなどとは言いません。

裏の世界は決して彼向きじゃないですからね。関わらないのが一番です。

今回は、山本武が知らない所ですべてを終わらせます。

「ムクロ!ムクロ!」

「おや?何でしょう?」

「犬!やられた!犬!やられた!」

「ほぉ……思ったよりやりますね」

バーズの鳥によると友人の為に腕一本投げだして犬を倒したとか。

「先輩、山本武を一番最初に倒してください」

「…………骸、奴を悲しませたくないならこの計画自体を「お願いしますね?」……分かった」

マフィア殲滅。いずれは世界大戦のために手段は選ばない、つもりだった。

しかしあろうことか彼と過ごしたあの短い時間で僕は変わってしまったようです。

人を守るどころか人を信じることさえできなかったはずの僕が、少ししか会話を交わしていない彼の笑顔を守りたいなどとは……。

「クフフ……滑稽にも程がありますね」

窓から下を眺めると……。

嗚呼、ランチアは僕の言うとおりにやってくれましたね。

さて、後はボンゴレを手に入れ、姿をくらますだけだ……。

僕は気によりかかって寝ている彼にそっと言った。

「さようなら」



* * *



(願わくは夢の中で彼の笑顔が見れますように)



09/12/22


お題元:処女懐胎と胎内記憶に基づき


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あきゅろす。
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