白銀の昇り龍
大人をナメてはいけません
『自己紹介はここまで。これから出席を取りますので、呼ばれたら返事をするように』
「ムシかよ……」という言葉は聞こえない。
『相川くん』
「…………」
『相川くん?』
「…………」
『呼ばれたら返事をして下さい。相川くん』
「…………」
『…………』
「…………」
『やれやれ……欠席、と』
初日から無断欠席とは、俺に喧嘩を売っているな。
『次、井坂くん』
「うぃ「ちょっと待て」…ス」
ちっさいキンパの少年がふざけた返事をしようとしたところで、彼の前に座っている茶髪のまぁまぁデカい奴が口を挟んできた。
コイツが相川だ。
『何かな井坂くん?』
「井坂は後ろのコイツ。俺は相川」
『相川くんは欠席のはずですよ』
返事がなかったからな。
「てめぇの目は節穴か? よく見てみろ。空いてる席ねぇだろが。全員いんだよ」
だから出席を取る意味がないと、彼は主張する。
『いやいや、私は今日初めて皆さんに会いますから。一刻も早く顔と名前を一致させなければいけません』
事前に写真でチェックしてるから実は必要ないんだけどな。
「必要ねーよ」
『私が必要としていますから』
「じゃあ言い方を変える。今は全員出席番号順に座ってる。だから返事の必要はねぇ」
こんのクソガキが。
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