白銀の昇り龍
コール
衝撃の新事実を聞いて呆然とする俺らをよそに、管理人高輪は淡々と話を進めた。
「では、これが大城先生のルームキーになります。部屋の番号は209号です。あと、事前にお送りになった荷物は部屋の中にありますので」
『ありがとうございます』
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『んで、なんであなたたちは部屋に上がり込むんですか』
「だってよー、角部屋だぜ角部屋! 下の階は食堂だから人いねぇし、最高じゃん」
『いやいや、理由になってないですよ』
「あ、じゃあ荷物解くの手伝うよ」
なんだその今思いつきました的なノリは。
『お気持ちだけいただいておきます』
っていうか、このダンボールの中には俺が自分で詰めたものの他に、蒼空や哲慈が詰めたものがあるから、怖くて人前でなんて開けられねぇ。
その後、なんだかんだ言って部屋に居座ろうとする3人をなんとか追い出し、一息ついてから携帯電話を取り出す。
短縮に入れた番号に電話すれば、待っていたかのように相手は1コールで出た。
《お待ちしておりました、紅雅さま》
『テツ……待ってたとは、また何か仕事か?』
俺の機嫌ダダ下がりなんですケド。
《いえ、ただ俺は紅雅さまとお話ししたかっただけですから》
………可愛いこと言ってくれんじゃねぇか。
一気に俺の機嫌は良くなった。
《それより、学校はどんな感じですか?》
『落書きだらけ・広い・汚え・ゲイとバイがいる・カツラ・メガネ』
《……聞きだいポイントはたくさんありますが、まず、【カツラ・メガネ】について聞かせていただきましょうか》
おそらく、電話の向こうでは、黒髪の細身で長身な男前がにっこりと笑っているのだろう。
『危ねぇからって、校長から黒もっさなヅラとビン底メガネ渡されたんだよ』
俺は今日あったことをテツに話した。
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