白銀の昇り龍 コール 衝撃の新事実を聞いて呆然とする俺らをよそに、管理人高輪は淡々と話を進めた。 「では、これが大城先生のルームキーになります。部屋の番号は209号です。あと、事前にお送りになった荷物は部屋の中にありますので」 『ありがとうございます』 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 『んで、なんであなたたちは部屋に上がり込むんですか』 「だってよー、角部屋だぜ角部屋! 下の階は食堂だから人いねぇし、最高じゃん」 『いやいや、理由になってないですよ』 「あ、じゃあ荷物解くの手伝うよ」 なんだその今思いつきました的なノリは。 『お気持ちだけいただいておきます』 っていうか、このダンボールの中には俺が自分で詰めたものの他に、蒼空や哲慈が詰めたものがあるから、怖くて人前でなんて開けられねぇ。 その後、なんだかんだ言って部屋に居座ろうとする3人をなんとか追い出し、一息ついてから携帯電話を取り出す。 短縮に入れた番号に電話すれば、待っていたかのように相手は1コールで出た。 《お待ちしておりました、紅雅さま》 『テツ……待ってたとは、また何か仕事か?』 俺の機嫌ダダ下がりなんですケド。 《いえ、ただ俺は紅雅さまとお話ししたかっただけですから》 ………可愛いこと言ってくれんじゃねぇか。 一気に俺の機嫌は良くなった。 《それより、学校はどんな感じですか?》 『落書きだらけ・広い・汚え・ゲイとバイがいる・カツラ・メガネ』 《……聞きだいポイントはたくさんありますが、まず、【カツラ・メガネ】について聞かせていただきましょうか》 おそらく、電話の向こうでは、黒髪の細身で長身な男前がにっこりと笑っているのだろう。 『危ねぇからって、校長から黒もっさなヅラとビン底メガネ渡されたんだよ』 俺は今日あったことをテツに話した。 ■□ [戻る] |