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白銀の昇り龍
教師の教師による教師のための保身術講座

晩飯を食ってる間も、学校の説明をされた。


「いいですか大城先生。何かあったらすぐに僕や浜中先生を頼ってください」

『はい』

「最近の生徒は乱暴だからな」

『……はい?』


え、もしかして【頼る】って………


『えと……屋島先生がおっしゃる【何かあったら】っていうのは……』

「生徒から暴力を奮われたり脅されたりすることです」


おやおや。それって広義な意味でのDVじゃねーか。
それより気になるのは………


『あの、もし僕が先生方を頼った場合、先生方はどのような対処法を取られるのでしょうか?』

「そりゃまあ、目には目を、歯には歯をってことで、武力行使」

『生徒相手に手を上げるってことですか?!』


そりゃマズいっしょ!!


「いやいや、あくまで【正当防衛】ですから」


なるほど。
生徒が生徒なら、教員もそれなりにならなくちゃいけないわけだ。

【正当防衛】という名の【武力行使】が大丈夫なら、そっち方面でこの人たちに頼ることはまずないな。


そもそも俺が高校生相手に攻撃するとか、可能性かなり低いと思うし。


「それと大城先生は、背中から腰にかけてのラインが絶品ですので、さっきの意味でも気をつけてください」

『【絶品】という言葉に引っ掛かりを覚えますが……それは、男が男をってやつですか?』

「はい」

『はぁ……それにしても、妙な話ですよね。ここは男子校だけれど、生徒は自宅から通ってるじゃないですか。そんな環境下で、なんで同性に目がいくんだか』

「生徒の4割は寮生活ですし、なにより【弘燎】というだけで女の子も逃げちゃいますからね。そうなると、とりあえずの欲求不満のはけ口は同じ【弘燎】の生徒ということになるわけです」

『つまり、そこに恋愛感情はないと』

「中にはある生徒もいると思いますが、まあ少数でしょうね」


なんだかとことん不毛な話だな。

体を繋げるのなら、その時だけでも何かしら特殊な感情を持つものだろうに。


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