SS(拍手など) ある夏の教室にて 夾「ぅあちー」 宮「夾………暑さが増すからそういうこと言うのやめてくれる?」 夾「しょーがねーじゃん。あちーもんはあちーの。お前こそ、暑いなら前開けりゃいいのに」 宮「僕がそういうことしたらどうなるかわかってるクセに」 夾「わぁーるかったって。睨むんじゃねーよ宮古」 宮「分かればよろしい」 夾「しっかし動く気失せるよなーこの暑さ」 宮「ホント。外で体育してる人たちの気がしれないよ」 そう言って宮古は外でサッカーをしている一群を視界から外した。 夾にいたっては、一度も外を見ていない。 まだまだ若い高校生男子が2人で28℃設定の空調の効いた教室でダラダラ。 一方は男前、もう一方はフランス人形ばりのかわいらしさを持つ美少年。 双方とも人の目を引く容姿であるぶん、なんとももったいない感じである。 とそこへ、彼らとは対照的に、キラキラした目で外を一生懸命に眺めていたクラスメイトたちの会話が聞こえてきた。 生徒A「ねぇねぇ、あそこにいるの遼さまじゃない?」 夾&宮(ピクッ) 生徒B「あ、ホントだ! 遼さまがシュートするよ!」 生徒C「頑張れ遼さま! あ、入れた!」 生徒D「せーの!」 生徒ABCD「「「遼さますてきぃー!!」」」 夾・宮「……………」 ダダッ… 生徒ABCD「「「キャ―ッ!! きょ、夾さま…に宮古さま!?」」」 夾「お前ら、ちょっとそこどけ」 生徒ABCD「「「は、はいいぃぃぃいい!!」」」 宮「ちょっとごめんね!」 生徒ABCD「「「はい///」」」 夾「あいつら……」 宮「許せないね……」 夾「下行くぞ宮古」 宮「うん!」 ダダッ! 生徒A「い、行っちゃった」 生徒B「どうなさったんだろうね…」 夾「りょーう!!!」 遼 (ビクッ)「な・・・なんで夾と宮古先輩がここにいるんだよ!」 宮「そんなことはどうでもいいの! それより……」 夾・宮「「足出すな」」 遼「ぇええ!? なんで!!?」 夾「なんでも、だ」 遼「い、意味わかんねぇ!! 足出さなかったらサッカーできないじゃん!」 夾「意味が違う! ジャージ穿けって言ってんだ俺は!」 遼「えー、あちーからヤダ」 宮「遼くん、危機感持って!!」 夾「お前らも遼の足ジロジロ見てんなよ!!」(←周りに向かって威嚇した) 健「ってか先輩方、授業は?」 宮「自習だったんだよ♪」 健「なーる」 夾「ってそんなことはどうでもいいからジャージ!」 遼「ヤダって言ってんだろーがこの暴君!!」 ギャアギャア 先生(少しは静かにしてくれないものかなあ……) 生徒ABCD「「「…………」」」 生徒C「まさか……お二人は、あのためだけにあんなに急いで下に行かれたの?」 生徒A「信じたくないけど、そうらしいね」 生徒D「さっきまで動く気配すらなかったのに……」 生徒B「遼さま効果……ってところなのかなあ?」 だいぶショックを受けた模様の生徒四人。 それでも、彼らの憧れであった生徒会の人間が、実はどうしようもない独占欲の塊であることは、この閉鎖的な環境においては、この先も都合良くなかったことにされるのであった。 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ これが彼らの日常の1コマです(笑) THE END ◆◇ [戻る] |