アンタとオレの関係
どこにもいない
さっき、3時間目終了のチャイムが鳴った。
まだ、遼は見つかっていない。
僕の親衛隊の協力を得ているのに、僕たち自身も探しているのに、まだ見つからない。
時間ばかりが過ぎていく。
どこにいるんだよ! 遼!!
「あ…の!」
『…?』
呼び止められて振り向けば、今会いたくない人ランキングの上位に入る2人組がいた。
2人とも華奢で男とは思えない。
遼の親衛隊の幹部だった。
『なんでしょうか?』
相手は一応先輩。
時間が惜しいが無碍にはできない。
「いや、春山くんも一人なんだなーって思って」
「さっきは神崎くんも一人だったし」
「「遼さまはどこにいらっしゃるの??」」
今は流したい質問がサラウンドで聞こえた。
『教室にいるんじゃないですか?』
「さっき会いにいったけどいなかったよ?」
「っていうか神崎くんも君も何してるの?」
今は時間がない。見たところ、この二人だけなら遼を襲うようには見えないし、事情を説明するか。
『…場所を変えましょう』
こうして、僕は先輩2人を連れて近くの空き教室に入った。
◆◇
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