アンタとオレの関係 どうしてくれようか 俺は今、生徒会室で裕行と向き合っている。 事情はあらかた聞いた。 遼を襲った奴らに必要以上に厳しい処分を用意することは、暗黙の了解である。 問題は、先ほど後にしてきた仮眠室である。 〈んっ! うぅ…ん! ふぅ…ん!〉 微かにだが声が聞こえるのだ。 最初は俺も裕行も気づかなかったが、裕行から事情を聞き終わった途端、偶然にも聞こえた、声。 必死に声を出さないよう堪えているのだろうが、季節がらエアコンもついておらず、PCもTVも電源が切れているから、聞こうと思えば聞こえる。 …………これは、今夜は寝られそうにないな。 いかんせん、惚れた相手の淫らな声だ。 しかもこっちは、勝手にその相手に操を立てて目下禁欲中の身だ。 正直堪らない。 あ゛ー………襲いてぇ。 「お前が半年くらい前から夢中になってんのって遼くんなんだろ?」 『あぁ』 「最初見た時は意外すぎてわからなかったよ。お前の好みは完全なネコだとばかり思ってたから」 『寄ってくるののほとんどがそのタイプだっただけで、別に好みじゃねぇよ』 「ふーん? でも、残念なことに向こうはお前を敵とみなしているみたいだけど?」 『話せばなんとかなるだろうが。…………邪魔はすんなよ?』 「えー? どーしようかなー? 遼くんすっごくカワイイし。俺も欲しくなっちゃった」 ………イラッとすんな、コイツ。 ♪〜♪〜♪〜 突然響く電子音。裕行の携帯だ。 二言三言会話して終話ボタンを押した裕行は、「親父に呼ばれた」と言って生徒会室を出ていった。 因みに裕行の親父はここの理事長で、俺の叔父である。 …………まてよ? ってことは、今ここにいるのは俺と遼の2人だけってことか。 チャンスだな。 その時、背後の仮眠室のドアが開いた。 ◆◇ [戻る] |