アンタとオレの関係
-02
[アニマル喫茶]
それがどんなものなのか、正直あまり考えたくない気がするのは、気のせいだろうか。
『で、それって一体どんなものなの?』
「読んで字の如く、だよ。動物に仮装したスタッフがいる喫茶店」
『……流行らないと思うんだけど』
だって動物の格好した男子高生がウェイターなんだよ?
俺なら絶対に入りたくないし。
「いや流行るんだってこれが。遼くん忘れてるかもしれないけれど、ここは閉鎖された男子校だよ? 男子高校生がやるメイド喫茶が流行っちゃうようなところなんだよ?」
……そうだった。そんなところだった。
「じゃあ質問。動物って、たとえば? みんなで同じような動物をやってたら意味ないよね?」
和巴ちゃんが顎に手をあてて、何やら真剣に会話に参加してくる。
「うーん…犬とか猫とか狼とか?」
「それじゃあ少ないでしょう?」
『じゃ、じゃあ、少なくとも10種類の動物が変装可能じゃなかったら、この案はなかったことにするのはどう?』
変装できる動物なんて10種類もないから、これでアニマル喫茶なるものはなくなったと安心した俺が馬鹿だったのだろう。
10分後には、きっかり10種類の動物が出され、さらに多数決でアニマル喫茶が決定していた。
……なんだこれ。なんだこのやるせなさ。
ああでも「喫茶」っていうくらいなんだから、クラスの半数は裏方やっていいわけだよね。
それだったら俺、料理できるしーとか思って、徐に挙手してみた。
『はーい! 俺料理できるんで、裏方やりまっす!』
シーン……………
…………あれれ? なにこの滑った感。
「お前は表方だバカ遼」
『俺の意志は?』
「お前の意志よりも売上が伸びる方が優先事項」
『はあ!? それって軽く人権無視じゃん!』
「じゃあ周りの奴に聞いてみ。裏方に回っていいかどうか」
そろ〜っと周囲を見みれば。
皆さん、すっと目を離して合わせてくれない。
どうやら味方はいないようだった。
『じゃあリクエストぐらいさせてね。俺、動物だったらカッコいいのがいい……』
投げやりな気持ちになった俺がそう言うと、それまで俺と健ちゃんのやり取りをおとなしく聞いていいた文化祭委員の二人は。
「まかしといて!!」
めっちゃくちゃ良い笑顔で答えてくださいました。
ぶっちゃけまかせたくないです、ハイ。
◆◇
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